研究課題
炎症性および非炎症性歯肉から全RNAを抽出し、miRNAマイクロアレイを行った結果、炎症性歯肉でmiR-150、miR-223およびmiR-200bの発現増加が認められた。そこで、miR-223発現プラスミドを歯肉線維芽細胞(HGF)に導入し、IL-1β(1 ng/ml)またはTNF-α(10 ng/ml)で24時間刺激後、全RNAおよびタンパク質を抽出した。炎症性サイトカインであるIL-1βおよびIL-6、miR-223の標的遺伝子であるIκB kinase α(IKKα)およびmitogen-activated protein kinase phosphatase 5(MKP-5)の遺伝子発現レベルを検索した。HGFをIL-1βまたはTNF-αで刺激すると、IL-1βとIL-6のmRNA量は増加し、miR-223を過剰発現で、IL-1βとIL-6のmRNA量はさらに増加した。HGFでのIL-1βとIL-6のmRNA量は、IL-1βまたはTNF-α刺激で増加し、miR-223インヒビターを導入すると、減少した。HGFをIL-1β刺激しmiR-223を過剰発現させると、IL-1βおよびIL-6タンパク質の顕著な増加が認められた。miR-223の標的遺伝子であるMKP-5のmRNA量は、miR-223を過剰発現させると減少したが、IKKαのmRNA量は、miR-223を過剰発現しても変化しなかった。しかし、miR-223を過剰発現させるとIKKαのタンパク質量は減少した。一方、miR-223を過剰発現させるとリン酸化p38 MAPKのタンパク質量は増加した。以上の結果から、miR-223はIKKαの発現を、mRNAの分解ではなく、翻訳阻害のプロセスで発現を抑制すると考えられた。IL-1βとTNF-α刺激で増加したIL-1βおよびIL-6の発現が、miR-223の作用でさらに増加したのは、miR-223がNF-κBの活性を抑制するIKKαとp38 MAPKの活性を抑制するMKP-5を阻害したためと考えられた。
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