研究課題
日常的に行われている口腔のケアに対し、対象者も実施者もストレスと感じることは少なくない。しかしながら、口腔を介する関わり合いの中で、相互性・関連性を持った口腔ケアリングとして口腔のケアを実施することにより、リラクゼーション効果が得られる心身的なリハビリテーションシステムを提案できると考えた。平成27年度は、研究の最終年度であり、口腔ケアリングの手法の構築を目指した。口腔ケアリング手法と評価法の確立の実験では、20代の成人を対象として実施した。これは、これまでの情報収集を踏まえて、口腔ケアリングの手技を評価するに当たり、始めに身体のケアの経験の少ない未婚の若い成人にて実験を開始した。対象者は、同年齢で子育てを行っている者もいる若い親の年齢であり、子育てと行った経験が口腔のケアに及ぼす影響がない、全くのベースラインの状態で検証を行った。実施後の対象者のVisual Analog Scale等を用いた主観的な緊張とストレスの評価と、保護者の仕上げ磨きの実施状態の観察記録と、同様に親も主観的な緊張とストレスの評価を行った。状態不安質問項目STAIおよび、主観的な緊張および主観的なストレスの評価として100mmVASの質問を行い、自律神経評価は、指先あるいは耳朶から非侵襲的に脈波を導出し、HRV(Heart Rate Variability)を算出して、刺激負荷前と後の測定値変化を用いた。同時に、唾液中のアミラーゼ活性を測定する唾液アミラーゼモニターも使用し、様々な口腔内刺激の口腔内刺激の特性の評価方法と特徴付けを行った。以上の結果より、心身的リハビリテーション効果のある口腔ケアリング・リハビリテーションを、口腔に関わることの相互理解と口腔のケアを実施する事による信頼関係の構築を最優先の目標として、それぞれの口腔に合わせた手法を組み合わせるべきであると考えられた。
すべて 2015
すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)