歯周病等の口腔衛生状態と虚血性心疾患等の循環器疾患との関連が報告されて久しい。我が国ででも口腔衛生の重要性が指摘され、改善に向けた対策が全国的に行われている。しかし、これまでの報告では口腔衛生の評価に関しては調査項目が限られており、十分な評価が困難であった。本研究では、口腔衛生の詳細な状態評価と生命予後、心不全、虚血性心疾患等の心血管関連入院との関連を検討した。結果として、口腔衛生と生命予後との間に明らかな関連を認めなかったが、歯の動揺および歯肉出血と心血管関連入院との有意な関連が認められた。これらの結果から、口腔衛生状態の適切な管理が循環器疾患の管理に重要である可能性が示唆された。
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