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2013 年度 実施状況報告書

周術期管理における術後の継続的な口腔管理の有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25463242
研究機関岡山大学

研究代表者

水谷 慎介  岡山大学, 大学病院, 医員 (90643312)

研究分担者 丸山 貴之  岡山大学, 大学病院, 助教 (30580253)
森田 学  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
江國 大輔  岡山大学, 大学病院, 講師 (70346443)
友藤 孝明  岡山大学, 大学病院, 講師 (80335629)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード周術期管理 / 歯周病 / 口腔清掃状態
研究概要

本研究の目的は,周術期における継続的な歯科的介入が全身状態にどのように影響を与えるのか検討することである。平成25年度では,岡山大学病院周術期管理センターを受診した呼吸器,食道および乳腺外科の癌患者のうち,研究への同意が得られた30名を対象とした。周術期管理センター初診時に口腔内の状態(現在歯数,修復歯数,動揺歯数,歯周ポケット深さなど)を記録した。また,手術前日(ベースライン),手術当日,術後1日目および3日目における口腔清掃度(Plaque Index:PI),舌苔スコアおよび舌表面の細菌量を記録した。舌表面の細菌量は細菌カウンタ®(パナソニックヘルスケア株式会社)を用いて調べた。さらに,電子カルテより血液検査結果(WBC,CRP)と,術後6日間の発熱日数を調べた。また,手術前日に歯科医師,歯科衛生士によるプラークフリー(口腔内清掃)を行なった。手術の延期や術後に細菌量が計測できなかった4名を除いたため,分析対象者は26名(男性17名,女性9名,平均年齢67.4±7.8歳)となった。
分析対象者26名の平均残存歯数は17.4±11.5本であり,無歯顎の者は5名であった。PIおよび舌苔スコアにおいて,手術当日をベースラインと比較すると,統計学的に有意な減少を認めた。また,統計学的な差は認められなかったものの,26人中19名において舌表面の細菌量の減少がみられた。このことから手術前日のプラークフリーによって,口腔内の衛生状態が改善したと考えられる。口腔内の状態と術後の発熱日数との関係について有意差は認められなかったが,術後4日以上の発熱があった者と術後3日以下の発熱があった者とを比較すると,術後1日目および3日目のPIにおいて,前者が高値を示し,口腔清掃度が悪い傾向がみられた。これらの結果より,手術前の歯科的介入が術後の発熱日数に影響を及ぼしている可能性が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた人数が集まっていない。これは,研究プロトコルの作製および細菌カウンタによる口腔内細菌量測定のキャリブレーションに時間がかかり,研究開始が遅れたためである。しかし,研究開始後は順調に被験者が増えており,今後,大幅な遅れは出ないと見込まれる。

今後の研究の推進方策

平成25年度は口腔内の状況と全身状態との関連についての横断研究であった。しかし,予定していた被験者の人数が集まらず,多変量解析を行うには被験者数が十分ではなかった。今後も横断研究を継続し,十分な人数(n=50)を確保したうえで,統計学的な分析を行う予定である。また,平成26年度に予定していた口腔ケアの介入研究を行い,介入群と非介入群において口腔内および全身状態にどのような影響をもたらすのか,さらなる分析を行う予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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