研究課題
In vitroにおいて、口腔内細菌を減少させる効果のある糖の探索を開始したところ、 D-タガトースが最も適していることがわかった。D-タガトースを培養液中に添加したところGS5など特定のミュータンス菌に対する増殖、酸および不溶性グルカン産生を著明に抑制した。GS5のバイオフィルム形成を阻害し、グルコシルトランスフェラーゼ活性を阻害した。D-タガトースとキシリトールの併用投与はミュータンス菌に対する抑制効果を強く認めた。In vivoにおいて、D-タガトースガムとキシリトールガム、D-タガトースとキシリトールの混合ガムを独自に開発し、4週間使用した。19人に対して使用し、副作用は全く認めず、口腔内細菌のうちミュータンス菌を減少させた。特に、D-タガトースとキシリトールの混合ガムは唾液中のミュータンス菌を著明に減少した。上記のIn vitroとIn vivoの試験結果が一致し、D-タガトースはキシリトールとは異なる作用を有し、両糖を併用することで、新たなう蝕予防または歯周病予防となる可能性が示唆された。上記の内容にて、学会と論文発表を行った。第36回歯科薬物療法学会(2016/6/1新潟)にて「D-タガトースとキシリトールの混合ガムが唾液中のStreptococcus mutans を減少させる」というタイトルで発表し、学術奨励賞を受賞した。また、2016年国際微生物学会(2016/6/16-20ボストン)にて「D-Tagatose inhibits biofilm formation in Streptococcus mutans」というタイトルにて発表した。第4回国際希少糖学会(2016/11/24-26高松)でも発表を行った。論文の1報は「D-Tagatose inhibits growth and biofilm formation in Streptococcus mutans」というタイトルにてMolecular Medicine Reports に投稿し採用された。もう1報をBritish Dental Journalに投稿中である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
Molecular Medicine Reports
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
BMC Oral Health
巻: 16 ページ: 1-9
10.1186/s12903-016-0194-z
http://isrs.kagawa-u.ac.jp/