本研究は、乳幼児齲蝕などに代表される口腔の疾患を、個人の保健行動だけではなく、地域の保健環境を把握した解析を行なうことで、地域の特性が個人に与える影響を検討し、地域環境への介入を進める上での基礎資料を得ることを目的とした。 1歳6か月児および3歳児健診のデータを用い、1歳6か月時健診の時点で齲蝕を持つ者と持たない者に分けて、それぞれの群における齲蝕増加に影響を及ぼす要因の検討を行ったところ、地域事業として行われているフッ化物歯面塗布による齲蝕予防効果は、齲蝕を持つ者よりも齲蝕の無い者においてより効果が高いという結果が得られた。
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