研究課題/領域番号 |
25463256
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
福泉 隆喜 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (50275442)
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研究分担者 |
金久 弥生 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80582783)
花谷 智哉 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60649250)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 在宅療養高齢者 / 歯科医療 / 口腔関連介護サービス / 介護予防 / 複合プログラム |
研究概要 |
本研究の目的は地域の在宅療養高齢者を対象として、在宅療養高齢者が必要としているニーズとディマンドを把握し、適切な歯科医療と口腔関連介護サービス等につなげることで、要介護度の改善や在宅療養高齢者のQOL の向上を図ることである。 研究計画1年目の平成25年度には、地域の在宅療養高齢者を対象として、口腔機能及び生活機能等を調査した。具体的には、福岡市内の通所介護事業所の利用者67名を対象に年齢、性別、BMI、介護度、既往歴、入院歴、認知症高齢者の日常生活自立度、Barthel index、Vitality index、家族構成、外出頻度、CDR、MNA®-SF、口腔の基本チェックリスト、口腔の状態・機能、かかりつけ歯科の有無、食品摂取頻度、SF-8、WHO-5などについて調査を実施した。 その結果、CDRの平均は0.68で認知機能に問題のあるものは少なかった。BMIの平均は22.5±4.1kg/m2、MNA®-SFの平均は11.9±1.6ポイントで、低栄養のリスクがあるものが34.3%であった。口腔の基本チェックリストで問題があったものは22.4%、RSST3回未満は37.3%、1年以上歯科医院に受診していないものは67.2%であった。また義歯はあるが使用していないと回答したものが62.7%いた。SF-8の平均は15.5±5.1、WHO-5の平均は15.5±4.1であった。 62.7%の者が義歯はあるが使用していないと回答しているものの、67.2%の者が1年以上歯科医院に受診しておらず、在宅高齢者の歯科のニーズとディマンドは相反している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、北九州市内の在宅療養高齢者300名を対象とする予定であったが、協力施設が福岡市内の通所介護事業所に変更となり、また、研究協力に関する同意率が低調であったことから、対象者が67名となった。一方、地域の在宅療養高齢者を対象として、口腔機能及び生活機能等を調査することができ、必要なデータを得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画では運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上の各サービスを複合的に、かつ比較的簡便に提供する複合プログラムを実施する介入調査を行う予定であったが、研究参加への同意者が少ないことから、平成26年度は平成25年度調査実施者についてのコホート調査を実施しながら、新規入所者を対象に追加調査を実施し、次年度以降に複合プログラムを実施する在宅療養高齢者を確保することとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究実績の概要で述べたとおり、平成25年度においては、当初予定していた介入調査に代えて、横断調査を実施したため、調査経費に変動が生じ、若干の繰越額が発生した。 平成26年度においては、平成25年度の調査対象者を状況の経過を観察し、コホート調査として継続調査することとする。また、平成25年度に実施できなかった介入調査を、運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上の各サービスを複合的に、かつ比較的簡便に提供する複合プログラムとして実施する。 この介入前後で、BMI、介護度、既往歴、入院歴、認知症高齢者の日常生活自立度、Barthel index、Vitality index、家族構成、外出頻度、CDR、MNA®-SF、口腔の基本チェックリスト、口腔の状態・機能、かかりつけ歯科の有無、食品摂取頻度、SF-8、WHO-5などを観察し、複合プログラムの有効性を示す予定である。これらに要する費用を、平成25年度繰越額及び平成26年度研究費によって支出する計画である。
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