研究課題
前年度に舌乳頭萎縮度の客観的評価方法について検討する目的で、高齢者と健康成人との臨床的な舌乳頭萎縮度の評価について検討した結果、舌粘膜の写真撮影による画像所見から、萎縮、やや萎縮、正常範囲の3グループに分けることができた。そこで本年度は、舌乳頭萎縮度を客観的に評価する方法として、表面粗さ測定機(Surf-Corder SE300 、Kosaka Lab社製)を用いて、計測を試みた。舌粘膜をシリコンラバー印象材にて印象採取し、その印象面の表面粗さを測定した。急角度の球面の場合は、計測できる面積が限られるが、おおよそ測定可能なことが認められた。一方、舌粘膜の撮影による評価については、リングフラッシュの装着ができるカメラを用いることで、舌粘膜の撮影が鮮明にできることが認められたが、乳頭の影ができにくいために、画像解析には適さないことが示唆された。そのため、最終年度では、ライティングを考慮した写真撮影方法の基準化と画像解析ソフトの組み合わせを用いて、表面粗さ測定結果と画像解析結果との相関性を確認して、舌乳頭の客観的評価方法について検討していく予定である。
2: おおむね順調に進展している
臨床評価と舌写真との関連性のほか、舌乳頭の印象面が表面粗さ計によって測定可能な点については確認できた。しかしながら、舌乳頭の写真から乳頭の萎縮度を評価する方法については、目視では萎縮度の判定が可能であるが、実際の画像データからの評価では、ライティングの問題も影響していることが示唆されたことから、萎縮度をより表現できる撮影方法について、再検討する必要があることが認められた。
今年度は、舌粘膜写真撮影時のライティングの方法による画像データの解析結果の違いについて検討を行い、その得られたデータと表面粗さ計による舌粘膜印象面の測定結果との関連性について検討する。これらの結果から、舌乳頭萎縮度の客観的な評価方法について明らかにする。また、関連企業との共同研究を推進して、舌写真の画像データの色調と舌全体の判定方法についても進めていく予定でsる。
購入予定の色度計の規格が舌の測定に適さない部分があったため、代替機器の購入ができなかった。また、日程的な問題で国際歯科研究会議における発表ができなかったことから、次年度使用額が生じた。
舌の測定に可能な色度計を購入して、色の客観的評価を行い、その結果と画像データとの関連性について検討する予定である。また、国内学会および国際学会において研究の成果発表を行う予定である。
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日本歯科医学会
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10.1093/chemse/bju010. Epub 2014 Mar 28