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2013 年度 実施状況報告書

非侵襲的脳機能画像法を用いた歯科恐怖症に対する効果的な認知行動技法の定量的評価

研究課題

研究課題/領域番号 25463266
研究機関日本歯科大学

研究代表者

苅部 洋行  日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)

研究分担者 大久保 善朗  日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20213663)
舘野 周  日本医科大学, 医学部, 准教授 (50297917)
肥田 道彦  日本医科大学, 医学部, 助教 (60434130)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード歯科恐怖 / 脳神経メカニズム / 視覚刺激 / fMRI / 聴覚刺激
研究概要

1) 視覚刺激課題の作製
本研究における歯科治療時の不快な視覚刺激を素材とした心理課題の作製にあたり、予備的研究を実施した。視覚刺激素材として、歯科治療に関連する画像72枚を選択し、健康成人35名(女性18名、男性17名、平均年齢25.2歳)による情動価の評価を実施した。国際情動画像システム(International Affective Picture System)に準じて、感情の明るさ、興奮の度合い、嫌がり、怖さ、ここちよさ、痛さについてVisual Analog Scale (VAS) を用いて評価した。その結果、紙コップ、歯ブラシ、マスクなどの静的画像に対しては嫌悪感や恐怖感が少ないのに対して、抜歯、浸潤麻酔、メス、歯科用タービンなどの侵襲的処置に関する画像に対しては不快な情動として感じていることが明らかとなった。本結果は、視覚刺激課題の作製に際し有用である。
2) 聴覚刺激課題の作製
聴覚刺激を素材とした心理課題の作製にあたり、予備的研究を実施した。聴覚刺激素材として、歯科治療に関連する音12種類と中性音2種類を選択し、健康成人34名(女性21名、男性13名、平均年齢31.2歳)による情動価の評価を実施した。国際情動デジタル音声(International Affective Digitized Sounds)に準じて、感情の明るさ、興奮の度合い、よろこび、嫌がり、怖さ、怒り、ここちよさ、痛さ、悲しさ、驚きについてVASを用いて評価した。その結果、同じ器具の音については、音源を変化させても情動価に違いが認められないこと、器具の違いにより情動価に違いがあり、特に歯科用タービンはより不快な情動として捉えていること、歯科恐怖のある者ほど歯科治療に関連する音をより不快な情動として感じていることが明らかとなった。これらのデータは、聴覚刺激課題の作製において有用である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新たな視覚刺激、聴覚刺激による心理課題作製のための予備的研究が順調に進んでいる。これらの結果を取り入れることにより、課題作製が効率よく進展すると思われる。

今後の研究の推進方策

MRI装置による撮像は、被験者数に応じて効率化を図るために、当初予定していた日本医科大学健診医療センター以外の施設での撮像も考慮していく。
心電図を用いた自律神経反応の測定は、日本歯科大学小児歯科学講座研究室にて行う予定であるが、本研究課題の効率的な推進を図るためにfMRIの実験デザインを構築する際にfMRI撮像と同時記録できる自律神経系活動の記録方法についても考慮する。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、予備的研究に時間を費やしたため、fMRIによる撮像はなされなかった。よって、MRI設備使用料の支出がなく、その分を次年度に使用することとした。
予備的研究のデータを基にfMRIによる撮像が開始されれば、MRI設備使用料が支出される予定である。また、この分野における最新の知見を得るための学会への参加旅費を支出する予定である。さらに、fMRI撮像と同時記録できる自律神経系活動の記録方法も考慮しており、その分の支出も見込まれる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Brain activity during the presentation of dental treatment sounds: an fMRI study2013

    • 著者名/発表者名
      Karibe H, Koeda M, Tateno A,
    • 学会等名
      Society for Neuroscience
    • 発表場所
      San Diego convention center, San Diego, USA
    • 年月日
      20131109-20131113
  • [学会発表] 当センターにおける歯科恐怖症例,1年経過後の傾向2013

    • 著者名/発表者名
      永島未来、大津光寛、平林幹貴、羽村 章、苅部洋行、岡田智雄、石井隆資、石川結子
    • 学会等名
      第30回日本障害者歯科学会
    • 発表場所
      兵庫県,神戸国際展示場
    • 年月日
      20131011-20131013
  • [学会発表] Relationship between belief in dentists and anxiousness2013

    • 著者名/発表者名
      Kato Y, Shimazu K, Karibe H
    • 学会等名
      International Association of Pediatric Dentistry
    • 発表場所
      Coex convention center, Seoul, Korea
    • 年月日
      20130612-20130615

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公開日: 2015-05-28  

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