研究課題/領域番号 |
25463266
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
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研究分担者 |
大久保 善朗 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (20213663)
舘野 周 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50297917)
肥田 道彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (60434130)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯科恐怖 / 脳神経メカニズム / fMRI / 聴覚刺激 |
研究実績の概要 |
1)脳活動と自律神経系活動の記録方法の構築:前年度に引き続き、fMRI撮像と同時記録できる皮膚電気活動と指尖容積脈波振幅を指標とする自律神経系活動の記録方法を構築した。実験設備を整備して8回の実験を行い、MRI検査室内におけるデータ採取体制を整備した。 2)歯科恐怖と特性不安に関連した歯科聴覚刺激に対する脳活動:歯科恐怖と特性不安のレベルには相関があるという報告がある一方で、異論も散見する。しかし、歯科聴覚刺激に対する脳活動の観点から、両者の関連性を観察した研究はみられない。そこで、健康成人34名に対して、歯科治療時の不快な聴覚刺激を素材とした心理課題を実施し、課題遂行中の脳活動をfMRIにて評価した。その結果、歯科恐怖のレベルと有意な相関を示した脳活動部位は、左側上側頭回後部と両側中心前回であり、特性不安のレベルと有意な相関を示した部位は、右側中側頭回、左側下前頭回、右側島皮質であった。これら脳活動部位の違いは、両者の不安行動におけるプロセスの違いを示唆していると考えられ、研究成果を北米神経科学会において発表した。 3)歯科医師への信頼度と健康関連QOLとの関連性:歯科恐怖には歯科用タービンなどの歯科器材に対する恐怖のほかに、歯科医師への信頼性が大きく関与している。そこで、健康成人を対象として、歯科医師への信頼度を評価し、歯科恐怖、特性不安、健康関連QOLとの関連性を調査した。その結果、健康成人において、特性不安は歯科医師への信頼度に影響を与えないものの、健康関連QOLにおける精神の健康に関する項目は、歯科医師への否定的な態度と関連することを明らかにした。これらの研究成果は国際学会にて発表し、2017年6月には国内学会にて発表する予定である。
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