研究課題/領域番号 |
25463275
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
田中 景子 福岡大学, 医学部, 講師 (40341432)
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研究分担者 |
三宅 吉博 福岡大学, 医学部, 准教授 (50330246)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 前向きコホート研究 / 歯周病 / 齲蝕 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
齲蝕と歯周病は、日本人の歯牙喪失の主な原因であり、そのリスク要因及び予防要因を解明することは非常に意義深い。今回、エビデンスレベルの高い出生前開始前向きコホート研究である「九州・沖縄母子保健研究」のデータを用いて、乳歯齲蝕における胎児期及び出生後のリスク要因と母親の歯周病のリスク要因を解明する。九州・沖縄母子保健研究では、妊娠中のベースライン調査に1757名の妊婦が参加した。出生時、4ヶ月時、1,2,3、4歳時の追跡調査を終了した。4ヶ月時調査では、母親の歯周ポケット測定を実施し、母子の遺伝子解析試料も得た。唾液中のコチニン濃度測定のために、唾液検体も得た。2,3歳時追跡調査では、乳歯齲蝕の情報を得た。各追跡調査が終了次第、データベースを作成し、それ以前のデータとリンケージしている。 平成25年度は5歳時調査を完了し、6歳時追跡調査を開始した。6歳時追跡調査では、質問調査票による情報収集に加え、同意の得られた参加者の口腔内観察を実施している。事務局担当者が日時を調整した上で、対象者の自宅を歯科衛生士が訪問し、母親の歯周ポケット測定、齲蝕、子の齲蝕に関するデータを得ている。平成26年度も、引き続き6歳時追跡調査を実施する。 ベースライン調査及び4ヶ月時追跡調査時のデータを活用した解析では、能動喫煙は歯周病と統計学的に有意な正の関連を認めたが、受動喫煙とは関連無かった。また、唾液中のコチニン濃度は、歯周病有症率と正の関連を認めた。ビタミンD受容体遺伝子多型との関連の解析では、SNPrs731236のAA遺伝子型に比較してGG遺伝子型では、有意に歯周病のリスクが高まった。またSNPrs7975232と喫煙との間の生物学的交互作用を認めた。IL1遺伝子多型の解析では、SNPrs16944のGG遺伝子型に比較してGA遺伝子型では、有意に歯周病のリスクが減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、引き続き6歳時追跡調査を継続し、確実にデータを収集する。また、蓄積されたデータを順次解析し、論文執筆する。エビデンスの蓄積に貢献する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画通り研究は進行しているが、1081円の残金が出た。 26年度分と併せて、6歳時追跡調査の遂行、データ解析・分析、論文執筆に関わる経費として使用する。
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