研究課題
本研究の目的は、認知症に伴う食行動関連障害への対応について検証することである。そこで平成25年度から平成27年度まで、国立長寿医療研究センターもの忘れ外来受診中の患者を対象に孤食と食行動関連障害の関係について横断的、縦断的にデータを収集して検討を行った。また、平成26年度からは軽度認知障害者を対象に各種脳機能計測装置を用いて、脳の解剖的変化、ミラーニューロンと認知機能に関連した脳機能の状態を包括的に検索した。さらに平成27年度からは軽度認知障害者に対して孤食の制限と嚥下運動に関するミラーニューロンシステムを賦活するプログラムの提供が、食行動関連障害を抑制する可能性について検討を行った。また、認知症病型別に低栄養リスクを増大させる要因に関して食行動関連障害を中心に検討した。孤食と食行動関連障害の関係については平成25年9月から平成28年3月までの間に国立長寿医療研究センターのもの忘れ外来を受診した延べ3500名の患者(1年後の2回目の評価を行った軽度認知機能障害者300名を含む)を対象として、基本情報、認知症の原因疾患、認知機能、うつ傾向、栄養状態、Barthel Index、Vitality Index、食欲など食行動関連障害に影響する因子を調査し、孤食が食行動関連障害の発現にどの程度影響しているかを検討した。対象者の認知症病型別内訳は診断が確定しているものでアルツハイマー型1309名、軽度認知機能障害506名、脳血管障害型237名、レビー小体型157名であった。横断的な分析の結果、孤食に関しては有意な結果は得られなかったが、アルツハイマー型認知症において食行動関連障害のうち、食事の中断が低栄養リスクに有意に関連していることが明らかになった。軽度認知障害者の脳機能計測と孤食の制限と嚥下に関するミラーニューロンシステムを賦活するためのプログラムによる介入調査については現在分析中である。
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