意識障害患者に対する意識レベルを改善する目的で行われている看護ケア技術の効果について,健常者を対象に神経生理学的な研究を行った。感覚刺激には聴覚刺激,温浴刺激およびその2つの併用刺激を用い,生理学的指標として脳波,覚醒レベル(BIS値),自律神経活動および心理学的指標を用いて検討を行った。今回の刺激条件では有意な効果は得られなかったことから,今後,刺激条件の検討が必要である。また,フランス共和国における看護ケアについての実態調査を行った。リヨン市内の神経病院では誘発脳波など神経生理学的な方法を用いていたが,リヨン郊外のリハビリテーション病院では痛覚や嗅覚などを刺激する看護ケアを行っていた。
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