研究課題/領域番号 |
25463292
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
山田 恵子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (00600230)
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研究分担者 |
比嘉 勇人 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70267871)
田中 いずみ 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (80293299)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護学生 / 私的スピリチュアリティ / 首尾一貫感覚 / 援助的コミュニケーションスキル / 日常生活ストレッサー / 抑うつ / 共分散構造分析 |
研究概要 |
本研究の目的は、看護学生を対象とした認知行動的アプローチによる抑うつ予防プログラム看護学生版を実施し(週1回40―50分の教示・演習ワークで構成、計6回)、抑うつ状態を全人的視点で捉え、私的スピリチュアリティ(スピリチュアリティ面)・首尾一貫感覚(メンタル面)・援助的コミュニケーションスキル(ソーシャル面)・日常生活ストレッサー(フィジカル面)と抑うつ状態との因果関係を明らかにすることである。そこで、平成25年度は、看護学生の抑うつに影響する要因を検討した。 対象は看護学生159名とし、無記名自記式による質問紙調査を実施した。質問紙は、私的スピリチュアリティ評定尺度(SRS-A)、首尾一貫感覚日本語版(SOC-13)、援助的コミュニケーションスキル測定尺度(TCSS)、大学生用日常生活ストレッサー尺度(DLSS)、抑うつ症状尺度日本語版(CES-D)で構成した。分析については、仮説モデルの共分散構造分析を行い、その適合度を求めた。その結果、有効回答者は141名であり、各尺度の信頼性は良好であった。「SOC-13」には「CES-D」を低減する働き、「DLSS」には「CES-D」を高める働き、「SRS-A」には「DLSS」を介して間接的に「CES-D」を低減する働きが認められた。さらに、「SOC-13」と「SRS-A」、「SOC-13」と「TCSS」、「SRS-A」と「TCSS」にはいずれも正の相関関係が認められた。最終的に得られた仮説モデルの適合度は概ね良好であり、これを看護学生の「抑うつ要因モデル」と命名した。 以上より、看護学生の抑うつ状態に影響する要因として、首尾一貫感覚(SOC-13)と私的スピリチュアリティ(SRS-A)が抑制因子、日常生活ストレッサー(DLSS)が強化因子であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の同意を得られた看護学生を対象に質問紙調査を実施し、分析の結果、看護学生の「抑うつ要因モデル」を作成した。本研究における平成25年度の目的を達成することができており、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の参加同意者を対象とし、介入群には抑うつ予防プログラム原案の研究成果を踏まえて作成した抑うつ予防プログラム看護学生版を実施する。抑うつ予防プログラム看護学生版は、週1回40―50分、計6回実施し、(a)パワーポイントによる説明、(b)グループワーク(ディスカッション)、(c)ホームワーク、(d)振返アンケートで構成する。介入群と対照群には、私的スピリチュアリティ評定尺度(SRS-A:「スピリチュアルなつながり性」)、首尾一貫感覚尺度(SOC-13:「メンタルな対応性」)、援助的コミュニケーションスキル測定尺度(TCSS:「社会的技能」)、大学生用日常生活ストレッサー尺度(DLSS:「身体的負荷」)、抑うつ症状尺度(CES-D:「こころの辛さ」)からなる質問紙調査(所要時間10分程度)を実施する。私的スピリチュアリティ、首尾一貫感覚、援助的コミュニケーションスキル、日常生活ストレッサー、抑うつ状態の経時的変化を明らかにするために、要因分析を行う。
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