研究課題/領域番号 |
25463292
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
山田 恵子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (00600230)
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研究分担者 |
比嘉 勇人 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70267871)
田中 いずみ 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (80293299)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護学生 / 私的スピリチュアリティ / 首尾一貫感覚 / 抑うつ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護学生を対象とした認知行動的アプローチによる抑うつ予防プログラム看護学生版を実施し(週1回60分の教示・演習ワークで構成、計6回)、抑うつ状態を全人的視点で捉え、私的スピリチュアリティ(スピリチュアル面)・首尾一貫感覚(メンタル面)・援助的コミュニケーションスキル(ソーシャル面)・日常生活ストレッサー(フィジカル面)と抑うつ状態との因果関係を明らかにすることである。そこで、平成26年度は、看護学生の精神的健康の経時的変化について検討した。 対象は看護学生80名とし、1年次および2年次に自記式質問紙調査を実施した。質問紙は、精神的健康指標に関する私的スピリチュアリティ評定尺度(SRS-A)、首尾一貫感覚日本語版(SOC-13)、抑うつ症状尺度日本語版(CES-D)で構成した。SPSS22を使用して記述統計量を算出した。その結果、回収数(回収率)は1年次76名(95.0%)、2年次78名(97.5%)、有効回答者(有効回答率)は1年次75名(98.7%)、2年次77名(98.7%)であった。各尺度の平均得点(SE)は1年次CES-D16.01(.94)、SOC-13 39.79(.85)、SRS-A47.21(1.12)、2年次CES-D17.65(1.02)、SOC-13 13.38(.82)、SRS-A42.52(1.07)であった。1年次に比べて2年次にCES-Dは高くなり、SOC-13とSRS-Aは低くなる傾向が示された。 以上より、今回用いた精神的健康指標において、看護学生の精神的健康度が1年次より2年次に低下する傾向が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の同意を得られた看護学生を対象に質問紙調査を実施し、また、介入群には抑うつ予防プログラム看護学生版を実施した。分析の結果、看護学生における精神的健康度の経時的変化を示した。本研究における平成26年度の目的を達成することができており、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
同意を得られた対象者に私的スピリチュアリティ評定尺度(SRS-A:「スピリチュアルなつながり性」)、首尾一貫感覚尺度(SOC-13:「メンタルな対応性」)、援助的コミュニケーションスキル測定尺度(TCSS:「社会的技能」)、大学生用日常生活ストレッサー尺度(DLSS:「身体的負荷」)、抑うつ症状尺度(CES-D:「こころの辛さ」)からなる質問紙調査(所要時間10分程度)を実施する。私的スピリチュアリティ、首尾一貫感覚、援助的コミュニケーションスキル、日常生活ストレッサーと抑うつ状態との因果関係の再検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度使用額として最大限まで使用したが、残数として少額残ってしまった状況。
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次年度使用額の使用計画 |
残数が少額のため、平成27年度使用額と合わせて使用しても使用計画に大きな変更は生じない。
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