研究課題/領域番号 |
25463294
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
近藤 由香 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (00369357)
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研究分担者 |
小板橋 喜久代 京都橘大学, 看護学部, 教授 (80100600)
中村 美香 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (10644560)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リラクセーション / 受動的筋弛緩法 / 筋弛緩法 / がん患者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、がん患者のための受動的筋弛緩法プログラムと教材を作成し、その有効性を評価することであった。著者らが作成したCD教材(能動的漸進的筋弛緩法)や先行文献を参考に、受動的筋弛緩法のプログラムとCD教材を作成した(小板橋、近藤:筋弛緩法CD、2014{部位:上肢、下肢、肛門・腰・腹・胸、肩・首・顔})。 健常者36名を、①受動的筋弛緩法群、②能動的筋弛緩法群、③対照群に割り当て、介入を行い評価した。その結果、収縮期・拡張期血圧値、脈拍数は、介入前後に有意差はみられなかった。受動的筋弛緩法群において、POMS短縮版は、「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「怒り-敵意」「疲労」「混乱」の項目は、介入後、有意に減少していた。インタビューの内容分析の結果、【身体的にリラックスしている感覚】【精神的にリラックスしている感覚】【緊張していることへの気づき】【技法を用いることの容易さ】【技法を用いることの困難さ】の5カテゴリー、20サブカテゴリー、45コード、95記録単位数が抽出された。がん患者7名への3日間の介入の結果、収縮期血圧値は1と3日目ともに、脈拍数は1日目に減少の傾向がみられた。インタビューの結果からは、肯定的な意見として、リラックス反応や不眠の改善、技法の習得などがあげられた。 本研究の結果より、筋肉に意識を集中させ弛緩していくのみの受動的筋弛緩法は、能動的筋弛緩法と同様に緊張を緩和し、一時的な気分の改善や主観的なリラックスの感覚の上昇をもたらすことが示唆された。
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