研究課題/領域番号 |
25463296
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
會田 信子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (80291863)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | パフォーマンス評価 / 協同学習 / ルーブリック / 評価指標 |
研究実績の概要 |
協同学習に参加している学生のパフォーマンス評価指標を開発するために、平成27年度は最初のバージョンとなる暫定版を作成し、信頼性(評定者間信頼性と学生の自己評価との関連性の確認)の検証を研究目標とした。パフォーマンス評価指標暫定版の考案プロセスにおいては、昨年度の2016年調査の結果を反映させて、多職種連携教育(以下,IPE)のみに適用する評価指標ではなく、同職種者連携(高等教育においては同じ学部・学科生での協同学習)の場においても適用できるよう、チームワーク形成に視点をおいた理論・モデルをもとに作成した。さらに、パフォーマンス評価使用暫定版の適用と使用方法については、①少人数制の協同学習の場のみでなく、100名以上の学生を対象とする大教室における協同学習でも教員が短時間でチェックできるよう、評価の大項目を最小限に絞り込むこと、②IPEでも活用できるように、IPEに必要とされる基本コンピテンシーを諸理論から抽出し、その内容を盛り込むこと、③学位授与に必要となる形成評価的な使用ではなく、計画された協同学習における学生のパフォーマンスを単発的に評価することなどを前提として、暫定版を考案した。 考案した「パフォーマンス評価指標暫定版」の信頼性検証等のための調査実施にあたって、組織内の医学部医倫理委員会に申請し承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
パフォーマンス評価指標の開発における信頼性・妥当性の検証調査では、現役の学生を調査対象とすることと、データ収集には一定の教育経験を有する者が必要となる。平成27年4月に着任した異動先の大学機関では、①研究組織の構築、②学生の学習活動に悪影響を及ぼさないデータ収集方法の検討、③データ収集が可能となる科目・実施時期などの検討に多くの時間を要した。 そのため、現在までの進捗状況は、パフォーマンス評価指標の暫定版の考案、調査計画の立案、および組織内の医学部医倫理委員会への申請・承認までに留まった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、医学部医倫理委員会で承認された調査計画書のデータ収集を行い、パフォーマンス評価指標・暫定版の信頼性を確認し、その結果をもとに、評価指標暫定版の修正を行う。さらに、最終年度の平成29年度に、修正版の信頼性・妥当性を検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、実質的な調査が実施できず、パフォーマンス評価指標暫定版の考案と、組織内の医学部医倫理委員会の申請・承認までに留まった。従って、予定していた調査にかかる費用や統計分析、成果公表にかかる費用などが未使用となった。そのため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、医学部医倫理委員会で承認された調査計画書のデータ収集を行うために、データ収集にかかる費用(印刷、データ入力など)や、統計分析にかかる費用(パソコン、最新バージョンの統計ソフトなど)、成果公表にかかる費用(学術学会への旅費、参加費、ポスター作成など)、消耗品の購入、連携研究者との通信費などに有効に活用する予定である。
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