【目的】協同学習に参加している学士課程の学生用のチーミング・プロセスを評価するためのルーブリックTEAM-P2016v(Grading Rubric of Teaming-Process Performance 2016 version)を考案し、信頼性・妥当性を検証した。 【ルーブリックの考案】チーミング理論(Edmondson AC,2012)とプロセス・エデュケーションの概念モデル(津村俊充,2012)を基盤として、[話す・聴く][エンパワリング][リフレーミング][コンフリクト対応]の4項目・4段階評定のルーブリックを考案した。 【方法】調査方法は、協同学習に参加しているB大学の看護学生96名(同意率95%)を対象とした無記名質問紙法と、評定者3名によるTEAM-P2016vを用いた観察法(観察対象は看護学生96名)で行った。調査にあたっては、信州大学医学部医倫理委員会で承認を得た後(承認番号3389)、十分な倫理的配慮のもと実施した。 【結果】級内相関係数0.662、一般可能性係数0.7825、カテゴリー主成分分析による信頼性α0.843、固有値%68.03%、相関行列係数0.457-0.682、および学生自己評価点と『チームワーク能力尺度』(相川充ら,2012)との相関係数0.215-0.429であった。 【結論】評定者間信頼性と説明率、基準関連妥当性で課題は残されたものの、チーミング・プロセスのパフォーマンス評価指標として適用可能であると考えられた。今後の課題として、特定大学の特定分野に所属し、特定の協同学習課題に参加している学生を対象としたことが、どの程度のセレクションバイアスとして影響を及ぼしているのか、および、評定者が一度に観察する学生数や評価者数、観察方法などによっても影響を受けるのかについても統計的に検討していく必要が考えられた。
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