研究分担者 |
津本 周作 島根大学, 医学部, 教授 (10251555)
小林 幸恵 西九州大学, 公私立大学の部局等, 准教授(移行) (20325062)
内田 宏美 島根大学, 医学部, 教授 (30243083)
津本 優子 島根大学, 医学部, 教授 (30346390)
臼井 麻里子 島根大学, 医学部, 助教 (70636638)
坂根 可奈子 島根大学, 医学部, 助教 (40559267)
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研究実績の概要 |
認知症高齢者が主に療養する施設(一般病院・老人保健施設)の看護師8名を対象に転倒予防のためのアセスメントについて明らかにすることを目的とし、質的研究を行った。 一般病院の看護師は、<認知症に伴う行動障害からのリスク査定>を中核とし,<入院前や入院当初の状況からのリスク査定><日常生活行動からのリスク査定><認知症高齢者の特徴からのリスク査定>をしていた。さらに,患者の<生活パターンを把握>し,<伝えることができない状況や感情を推察><離床理由を推察>して,入院後に引き起こされるかもしれない<予測できない行動をキャッチ>しようとしていた。さらに,<入院環境を調整><ニーズを満たすことでリスクを回避><安心できる生活を保障><離床センサーの活用><行動を予測した対応>しながらも,<健康な部分ヘの働きかけ>を行なっていた。 老人保健施設の看護師は対象者の<認知症に伴う行動障害からのリスク査定><離床理由を推察><生活パターンを把握><コミュニケーション能力を査定する><転倒リスクが変化する>ことをアセスメントし、<患者の行動パターンに合わせた関わり><患者の背景をふまえた関わり><ニーズを満たすことでリスクを回避>ことを行っていた。 一般病棟の看護師及び老人保健施設の看護師ともに<認知症に伴う行動障害からのリスク査定><離床理由を推察><生活パターンを把握>していた。しかし、主に治療を中心とした療養環境である一般病院と在宅療養を目指したリハビリを中心とする施設では、対象者の健康レベルに差異があることでアセスメントの視点が異なることが明らかとなった。また、認知症高齢者の転倒予防には,症状や障害,入院環境だけでなく,表現できないニーズも含めたアセスメントと,患者の残されている機能を踏まえた介入が重要となることが示唆され、アセスメントとそれに基づくケアプログラムの開発の必要性が示唆された。
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