本研究から認知症高齢者の転倒リスクには認知症に伴う空間認知能力や記憶力などの認知機能や周辺症状などの情動反応、身体機能、療養環境などが複雑に絡んでいることが明らかとなった。また、ひとたび、転倒経験があれば、外出頻度が減少し、さらなる転倒リスクを高める一因となっている。 これらの結果から、認知症高齢者の転倒予防には、症状や障害のアセスメトだけで入院環境のアセスメントだけでなく、患者が表現できないニーズも含めたアセスメントと、患者の残されている機能を踏まえたアセスメントが重要となることが示唆された。
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