研究課題/領域番号 |
25463309
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
菅原 美樹 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (60452992)
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研究分担者 |
中村 恵子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (70255412)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高度実践看護師 / シミュレーション教育 / フィジカルアセスメント |
研究概要 |
本研究の目的は、クリティカルケア領域の高度実践看護師の臨床推論・判断能力を強化し、評価するためのシミュレーション教育プログラムを開発することである。 平成25年度は、(1)大学院専門看護師教育課程および診療看護師養成課程におけるシミュレーション教育に関する文献調査を実施した。結果、本邦の高度実践看護師の育成にはシミュレーション教育の必要性が認識されており、導入を検討している現状が確認された。特に専門看護師教育では「共通科目B ヘルスアセスメント」への導入を検討しているが、課題として教育スタッフの不足、シナリオやプログラムの検討・精選の必要性、実施場所やシミュレーター購入などがあることが明らかになった。(2)シミュレーション学習のためのシナリオ、評価項目・基準を検討し、作成した。シナリオは、高機能生体シミュレーターを使用した「人工呼吸器ウィニング中の患者のフィジカルアセスメント」に焦点化した。作成にあたっては、厚生労働省「診療の補助における特定行為(案)」(2013)を参考にした。インストラクショナルデザインに基づき、高度実践看護師の臨床推論・判断能力を強化しうる内容と質になっているかについて研究代表者と分担研究者の2名で検討した。学習者の到達目標、行動目標を設定し、評価項目は、①フィジカルイグザミネーション:18項目、②検査結果の解釈・判断:19項目、③治療・管理:20項目とし、評価基準は、0-2の2段階と0-1-2の3段階評価とした。本学専門看護師コースの大学院生3名を対象にシミュレーションシナリオを試用した結果、②検査結果の解釈・判断と③治療・管理の評価項目に得点数のばらつきが見られ、再検討の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は高度実践看護師のシミュレーション教育の方法、評価について情報収集を目的とした国内文献調査から大学院教育における専門看護師、診療看護師の実践能力強化にはシミュレーション教育導入の必要性や課題が明らかとなった。また、海外視察を計画していたが、視察先との日程調整がつかなかったため、次年度の実施計画を前倒しにして、シミュレーションシナリオ、評価項目の作成に着手した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は豪州における高度実践看護師に対するシミュレーション教育と評価について示唆を得ることを目的に海外視察を計画している。作成したシミュレーションシナリオや評価方法の改善に役立てたい。また高機能生体シミュレーターだけでなく、模擬患者を活用したシナリオのバリエーションを増やすことを計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
豪州への海外視察を3名で計画していたが、視察先と日程調整がつかなかったため、次年度の計画に変更したこと、また、国内のシミュレーションセンター見学も実施に至らなかったことにより、次年度使用額が生じた。 次年度は国内・海外視察(豪州を予定)を行うため旅費として運用する。また、模擬患者を活用したシミュレーションシナリオを作成するため、模擬患者への依頼、シナリオ説明、トレーニングにあたり、交通費・謝金として使用する他、事務用品等の消耗品購入に使用する。
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