本研究は、社会的スキルトレーニング(Social Skills Training 以下、SSTと略記する)を用いた看護学生のコミュニケーション教育プログラムの開発を行うことを目的とする。平成29年度は、これまで実施してきた学習ニーズ調査や練習スキル調査をもとに見直しをしたSSTの技法を用いた看護学生のコミュニケーショントレーニングの手引書の一部を活用し、初学者を対象としたコミュニケーション教育として冊子「初めての実習でのコミュニケーション」を作成した。倫理委員会の承認を得た後、冊子を実習前に学生へ配布、説明し、実習終了後、配布した学生に質問紙調査を行った。質問紙調査では、実習でのコミュニケーションの様子や冊子を用いて良かったところ・要望を尋ねた。その結果、冊子を活用した学生が捉える効果や冊子の改善について検討することができた。今後は、冊子の内容等を見直し、より学生の学習状況に沿ったものに改善して行きたい。また、昨年度は研究計画を検討し、複数の協力施設を対象とするものから、1施設を対象とするものに見直した。その理由としては教育プログラムを実施する際に、協力施設との教育内容や実施時期等の調整が必要となるが進んでいないことがある。しかし、平成29年度は見直した研究計画の実施には至らなかった。その理由として協力施設の教育内容や実施時期等の把握や調整の準備が整わなかったことが挙げられる。今後、研究計画をより具体的なものとし、教育プログラムの実施・評価に努めていきたい。
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