研究課題/領域番号 |
25463314
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
山下 暢子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (30279632)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00229098)
中山 登志子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (60415560)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 看護教育学 / 看護学実習 / 看護学生 / 自律的学習 / 問題自己診断尺度 |
研究実績の概要 |
本研究は、学生が看護学実習中の「問題」とその時の「学習状況」を自己評価し、問題解決に向けて自律的に学習を進めるための「看護学実習における自律的学習推進システム」の完成と普及を目的とする。この目的達成に向け、平成27年度、次のように研究を実施した。 1.研究成果「看護学実習中の学生が直面する問題」の発表:平成26年度の分析の結果、「看護学実習中の学生が直面する問題」を表す37カテゴリを形成した。この成果を日本看護教育学学会25周年記念大会にて発表した。また、データ分析を進め、学習経験累積に伴う「看護学生が実習中に直面しやすい問題」を解明した。また、この成果を第35回日本看護科学学会にて発表した。 2.本研究における概念「問題自己診断」規定に向けた文献検討:本研究の開発を目ざす尺度の機能を明らかにするため、概念「問題自己診断」を規定するための文献検討を行った。哲学、社会学、医学、生命倫理学、看護学、心理学、教育学の事典類とともに、診断学領域の書籍の「診断」の規定を検討し、本研究における「問題自己診断」を規定した。 3.看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-の質問項目の作成・尺度化・レイアウト:研究成果「看護学実習中の学生が直面する問題」を表す37カテゴリと本研究の「問題」の概念規定を照合し、規定に一致する「問題」33カテゴリを抽出した。また、抽出した33カテゴリを基盤とし、看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-の質問項目を作成し、尺度化・レイアウトを行った。 4.看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-の内容的妥当性の検討:看護学実習指導に携わった経験を持つ教員、看護学実習に取り組んだ経験を持つ学生による尺度の検討会を行った。また、会議の結果に基づき修正した尺度を用い、現在、予備調査を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度の予定は、看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-を用いた全国調査を行うことであった。しかし、本研究における概念「問題自己診断」を規定するまでに時間を要した。今後、看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-を作成し、データ収集を進める。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度、看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-を作成し、データ収集を行う。また、データ収集の際、既に開発した『看護学実習中の「学習状況」自己評価システム』も加える。収集したデータに基づき、学生が直面している「問題」とその時の「学習状況」の関連を統計学的に解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の予定は、看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-を用いた全国調査を行うことであった。しかし、本研究における概念「問題自己診断」を規定するまでに予想以上の時間を要し、看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-の質問項目の作成・尺度化・レイアウトと内容的妥当性の検討に留まり、全国調査に進めなかった。そのため、全国調査に必要な質問紙・返信用封筒印刷費、返信用郵送費・開封・データ入力などに必要な人件費を使用できず、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度、看護学生のための問題自己診断尺度-看護学実習用-、既に開発した『看護学実習中の「学習状況」自己評価システム』を用いた全国調査を行う。そのため、全国調査に必要な質問紙・返信用封筒印刷費、返信用郵送費・開封・データ入力などに必要な人件費、共同研究者との打ち合わせ会議のための旅費として研究費を使用する予定である。
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