本研究は、看護師が臨床でどのように「看護師の自律性」を発揮しているのか、特に受けた教育課程との関連、また職場環境との関連から解明しようとするものである。これまで研究者が実施した調査(日本の「看護師の自律性」の実態、米国在住日本人看護師との比較)を元に、同一尺度(英語翻訳版)で米国人の「看護師の自律性」の実態調査をすることで、日本の看護管理・看護教育への示唆を得ることを目的としている。 平成25年度は、米国のMagnet hospitalに対応する日本の「看護の質向上を目指す施設」に勤務する看護師の調査および日米の助産師の比較をするため日本の「院内助産に取り組んでいる施設」勤務の助産師を対象にした調査を実施した。 平成26年度は、米国で Magnet hospitalとして認可されているUniversity of California San Francisco へ赴き、Academic Coordinator から紹介されたProfessorからUCSFでの調査方法・倫理申請の説明を受けた。また、UCSF Medical Center のClinical Nurse Researcher と面談し、施設での調査を打診した結果、調査は可能だが申請窓口はUCSFからとなった。 平成27年度は、英語翻訳版尺度を作成し、英語版暫定尺度としての予備調査を米国APNとRNに対し実施したが、予備調査の有効回答数が少なく課題が残った。また、UCSFが大規模改修工事と病棟移転と重なったことにより調査受け入れ困難となり、本調査の実施に至らなかった。 平成28年度に改めて、英語翻訳版尺度の信頼性・妥当性検討のための米国内研究フィールド開発に努めた。また、英語・日本語バイリンガルによるバックトランスレーションおよびAPNとRNへの予備調査実施とともに、現在調査対象組織への倫理申請準備中である。
|