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2015 年度 実施状況報告書

血栓症予防看護ケアとしての足浴やアロマオイル足浴の臨床的有用性の科学的実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 25463325
研究機関三重県立看護大学

研究代表者

林 辰弥  三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (00242959)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード足浴 / ローズマリー / 組織プラスミノゲンアクチベータ / プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1
研究実績の概要

これまでに、我々はローズマリーを組み合わせた20分の足浴では、検討したすべての湯温(37℃、40℃及び43℃)で線溶阻害因子であるプラスミノゲンアクチベータインヒビター-1の血漿濃度の低下に基ずく血栓症予防効果を示唆してきた。本年度は、ローズマリーを組み合わせた足浴の線溶促進因子である組織プラスミノゲンアクチベータの血漿濃度に及ぼす種々の湯温の影響について検討した。その結果、37℃の湯温を用いたローズマリーを手に擦り込んだ後の足浴では、足浴前と足浴経過時間中における血漿組織プラスミノゲンアクチベータ濃度との間には有意な差は認められなかったが、40℃の湯温を用いたローズマリーを手に擦り込んだ後の足浴では、足浴前に比較して20分の足浴後の20分後に、血漿組織プラスミノゲンアクチベータ濃度が有意に増加すること、43℃の湯温を用いたローズマリーを手に擦り込んだ後の足浴では、足浴前に比較して20分の足浴後の10分後と20分後に、血漿組織プラスミノゲンアクチベータ濃度が有意に増加することが明らかになった。以上の結果より、ローズマリーを手に擦り込んだ後の足浴の線溶促進因子の血漿濃度に及ぼす影響では、40℃と43℃の湯温を用いた際に組織プラスミノゲンアクチベータの血漿濃度の増加による線浴促進作用に基づく血栓症予防効果が示唆され、来年度に予定している血栓傾向の患者におけるローズマリーを手に擦り込んだ後の種々の湯温を用いた足浴のプラスミノゲンアクチベータインヒビター-1や組織プラスミノゲンアクチベータの血漿濃度に及ぼす影響を検討するにあたって、十分に期待が持てる結果となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臨床において、血栓傾向の患者でローズマリーを組み合わせた足浴の血栓症予防効果を検証するための施設決定に手間取ったため、昨年度はその実施まで至らず、進捗状況としてはやや遅れている。現時点で、血栓傾向の患者でローズマリーを組み合わせた足浴の血栓症予防効果を検証するための研究を実施できる施設を見つけることができたので、順調にいけば、来年度は予定した研究を実施できるものと考えられる。

今後の研究の推進方策

現在、血栓傾向の患者でローズマリーを組み合わせた足浴の血栓症予防効果を検証するための候補施設で、研究のための倫理審査を受けようとしているところである。本倫理審査が終わり次第、血栓傾向の患者におけるローズマリーを手に擦り込んだ後の種々の湯温を用いた足浴の各種線溶系因子の血漿濃度に及ぼす影響の検討を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

臨床における血栓傾向の患者でローズマリーを組み合わせた足浴の血栓症予防効果を検証するための施設決定に手間取ったため、昨年度はその実施まで至らず、進捗状況としてはやや遅れてしまったため、次年度に使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

臨床における血栓傾向の患者でローズマリーを刷り込んだ後の37℃、40℃あるいは43℃の湯温を用いた足浴前、20分の足浴後の20分後に患者様から指先穿刺による採血を実施し、得られた血漿中の線溶阻害因子であるプラスミノゲンアクチベータインヒビター-1濃度や線溶促進因子である組織プラスミノゲンアクチベータ濃度を測定し、足浴後の値と足浴前の値を比較することにより線溶促進効果に基づく血栓症予防効果を評価する。また、可能なら、同時に得られた血漿中のDダイマーなどの血栓形成マーカー濃度を測定し、足浴後の値と足浴前の値を比較することにより血栓形成予防効果を評価する。そのため、研究費の残額については、各種線溶調節因子、及び血栓形成マーカーの血漿濃度の測定に用いるELISAキットの購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ローズマリーを組み合わせた足浴の血漿プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1濃度に及ぼす影響2015

    • 著者名/発表者名
      林 辰弥
    • 学会等名
      第35回日本看護科学学会学術集会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2015-12-05 – 2015-12-06

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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