平成25年:卒後2年目の看護師16名にインタビューを実施。質的帰納的に職場適応行動96サブカテゴリー、35カテゴリー、5コアカテゴリー、職場適応状態53サブカテゴリー、14カテゴリー、4コアカテゴリーが生成された(研究1)。 平成26年:研究1において抽出された職場適応行動96項目、職場適応状態53項目の表面妥当性と内容妥当性を看護教育学の研究者5名によって検討し、尺度項目は職場適応行動98項目、職場適応状態54項目に精錬された(研究2)。また、新人看護師473名対象に社会人基礎力尺度、看護実践力尺度、日常生活経験の質問紙調査を実施し、社会人基礎力の信頼性と関連要因との関係性を検討し社会人基礎力尺度は新人看護師に適用可能生を確認した(研究3)。 平成27年:看護教育学の研究者9名により職場適応尺度項目の内容妥当性指数を検討し、職場適応行動82項目と職場適応状態51項目が採択された(研究4)。さらに、新人看護師1297名を対象に職場適応尺度原案(職場適応行動82項目、職場適応状態51項目)、職務満足測定尺度の質問紙調査を実施。探索的因子分析により職場適応行動尺度は5因子34項目、職場適応状態尺度は4因子26項目を抽出し、尺度の信頼性、安定性、構成概念妥当性、基準関連妥当性を確認した(研究5)。 平成28年:新人看護師1964名を対象に社会人基礎力尺度、職場適応尺度(職場適応行動尺度34項目、職場適応状態尺度26項目)、個人背景の質問紙調査を実施。共分散構造分析により社会人基礎力から職場適応への影響を確認しモデル適合度は許容範囲であった(研究6)。 新人看護師の職場適応行動尺度と職場適応状態尺度は信頼性と妥当性を確保している。社会人基礎力は職場適応に影響することが確認され、新人看護師の円滑なトランジションに資する能力のひとつとして、社会人基礎力を伸長させることは効果的である。
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