研究課題/領域番号 |
25463336
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
實金 栄 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50468295)
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研究分担者 |
中嶋 和夫 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (30265102)
山口 三重子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (90279018)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ハラスメント / 加害者 / 実行プロセス |
研究概要 |
ハラスメントに関する研究は被害者側の研究は散見されるが,加害者側についてはほとんどみられない。そこで本研究では申請書に記したようにハラスメントの実行プロセスについて検討することを目的としている。プロセスの検討についてはラザルスのストレス認知理論を援用し因果関係モデルを仮定した。 そこで本年度は,ストレッサーとなる看護師のストレスを測定する尺度,コーピングとなるハラスメントの実行を測定する尺度の調査項目を検討し,予備調査を行った。 まずストレス尺度の開発では,先行研究を参考に116項目の調査項目をアイテムプールした。調査はA県下の3施設523人の看護職者に実施した。分析は回収された470人のうち欠損値のない346人を対象とし行った。この結果,6因子(「評価」「困難さ」「労働環境」「職員との関係性」「医師との関係性」「患者・家族とのかかわり」)からなる看護職のストレス尺度試案が作成できた。この成果は3rd Word Academy of Nursing Scienceにおいて発表した。 次に,ハラスメントの実行を測定する尺度の開発では,先行研究を参考に42項目の調査項目をアイテムプールした。調査はA県下の8施設556人の看護職者を対象に実施した。調査票が回収された282人のうち分析項目に欠損値のない268人を分析対象とした。この結果,仕事に関連したハラスメント10項目,個人に関連したハラスメント10項目からなる,ハラスメントの実行を測定するハラスメント尺度試案が作成できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は調査項目の検討,予備調査の実施を行った。結果,次年度に行う,全国調査の調査票を開発することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,本年度開発し看護職のストレス尺度試案,ハラスメント尺度試案をもとに,全国の医療施設を100施設無作為抽出し,全国調査を実施する予定である。分析は,申請書に記したように看護職者のストレスをストレッサー,ハラスメントの実行をストレスコーピング,ストレス反応をK6,離・転職希望とする因果関係モデルを仮定し,構造方程式モデリングを用いて,このモデルを実証的に検証する予定である。研究計画の変更はない。
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