研究課題/領域番号 |
25463338
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
平木 民子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60308286)
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研究分担者 |
堀 美紀子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (60321254)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アクションリサーチ / 教育プログラム / 教育担当者 |
研究実績の概要 |
本研究目的は、研究代表者が開発した「病院看護部専任教育担当者の能力開発に資する教育プログラム(レベルⅠ)」を実践して評価することである。レベルⅠは、現在、教育担当者の所属施設が重点課題としている特定人材層の教育プログラムを開発し実施し評価するというプログラムである。この経験を通して「看護実践能力の評価指標と評価方法を開発する能力」と「現場に変化を起こす能力」の基礎を習得することをねらいとしている。 この実践過程において、研究者はアクションリサーチによって学習者(教育担当者)を支援しながら学習者の認識・行動・実践の変化について継続的にデータ収集して分析していく。 平成26年度は、近隣の500床程度の一般病院3病院に研究協力依頼したところ、1病院のみの承諾となった。当初の計画では各病院1~2名で合計5~8名の参加者を対象にする予定であったが、人事異動等で継続参加不可能になるなどの理由で協力を得ることができなかった。そこで、A病院の看護部専任教育担当者2名と研究者が協同で、病院看護部のビジョンと看護人材育成の課題を協同で検討した結果、臨床看護実践能力強化に向けたOJT改革となった。そして強化すべき特定人材層を各病棟の教育担当係長とした。まず、看護部教育担当者2名に対して、教育プログラムの設計と評価についての学習会を実施し、教育担当係長の役割の明確化と教育ニーズのアセスメントを行い、教育プログラムを設計した。今後は、教育担当係長を対象にした教育プログラムを実施し評価する。この過程における「教育担当者」の認識と実践と、「教育担当係長」の認識と実践を継続的にデータ収集し分析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年度前半に学習会を実施する予定であったが、研究協力者の承諾決定が遅れて後半になった。また、研究分担者が病気入院したために研究進行に若干影響した。 さらに、研究参加者が「看護実践能力の評価指標と評価方法を開発する能力」と「現場に変化を起こす能力」を習得するためには、コンピテンシーに関する知識を得て評価指標を作成する必要がある。ところが、病院には、各職位の役割や職務基準を明確に記述されたものがなく、各病棟の自由裁量にされている部分が多かった。そこで、研究者の支援を得ながら期待役割と能力を言語化することに時間を要した。結果的には、1つの病院を対象にした濃密な関わりと詳細なデータ収集によるアクションリサーチとなった。
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今後の研究の推進方策 |
研究者が基本的に毎週病院に行き、「教育担当者」と協同で、「各病棟教育担当係長」が自部署の新人看護師の臨床看護実践能力の評価指標と評価方法が開発できるように関わっていく。そして、「各病棟教育担当係長」の認識や実践の変化に関するデータ収集を、質問紙、グループインタビュー、個別インタビューによって継続して行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に予定していたアクションリサーチのデータ収集が途中である。
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次年度使用額の使用計画 |
教育担当者の実践を追跡するために、研究者が毎週病院に出向き、各病棟教育担当係長を対象にしたフォーカスグループインタビュー、個別インタビューによってデータ収集する。また対象者が作成した臨床看護実践能力の評価指標をデータ収集する。データ分析を同時に行い報告可能な結果が出れば学会発表する。このために、旅費、テープ起こし料、アルバイト料を使用する。
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