本研究の目的は、看護師の消極的倫理行動の実情を顕在化させ、消極的倫理行動に影響する要因を明らかにすることである。消極的倫理行動とは、看護師の主観的認識において最善だと思われる行動・ケアの実施を本意なく回避する行動と定義した。 看護師10名にナラティブ研究方法を用いて面接した結果、様々な消極的倫理行動の実情が明らかとなり、それに影響する要因について、「自分の未熟さ・看護師のレベルの差があること」「病棟の方針や風土」「自分の仕事のペースを乱されること」「恐い人・難しい人の存在」「医師に意見が述べられないこと」「看護師の都合に合わせた看護」「いつの間にか染まっていること」等の内容が語られた。
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