研究課題/領域番号 |
25463354
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研究機関 | 亀田医療大学 |
研究代表者 |
渡辺 八重子 亀田医療大学, 看護学部, 講師 (80627232)
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研究分担者 |
手島 恵 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (50197779)
休波 茂子 亀田医療大学, 看護学部, 教授 (90274745)
クローズ 幸子 亀田医療大学, 看護学部, 教授 (90627233)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療の質と安全 / 基礎看護学教育 / QSEN |
研究実績の概要 |
予定していた2014年度日本看護科学学会交流集会に参加し,研究成果のまとめを報告した。発表テーマは「米国看護大学における質と安全教育の改革“QSEN”の取り組み」とした。主な内容は,①医療安全教育が注目される背景,②コンセプトベースドカリキュラム,③看護教育改革のはじまり(QSENの設立),④QSENプロジェクトの沿革,⑤6つのQSENコンピテンシーの定義,⑦各コンピテンシーを構成する知識・技術・態度について,⑧QSENの概念を基にした看護教育改革の1例:米国 L大学におけるカリキュラム変革の実際についてとした。特に,QSENコンピテンシーに基づく大学と実習場とのコラボレーションの実際について報告した。発表後の交流セッションでは,日本の看護系大学における医療安全教育の現状について討議することができ,大学によって医療安全に関わる教育内容および教育方法はまちまちで,系統的でないことがわかった。また,QSENをカリキュラムに導入する方法について質問がされ,その方法として2つあることを説明した。1つは,従来の看護のカリキュラム全体を変えることなくQSENの概念を追加するというもの。もう1つは,QSENの概念を中心としたカリキュラムに再編成する方法である。次の課題は,当大学において効果的な医療安全教育プログラムを開発し,試行し,評価することである。具体的には,QSENに基づく医療安全教育プログラムを開発し,当大学の学生に試行し,評価し,研究報告していくことを予定している。 2015年1月,これまでの研究の成果をまとめ,看護学雑誌に掲載した。 渡辺八重子,クローズ幸子(2015)米国看護大学における質と安全教育の改革“QSEN”の取り組み:看護教育,第56巻,第1号,56-63.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた,2014年度日本看護科学学会交流集会で「米国看護大学における質と安全教育の改革“QSEN”の取り組み」について報告ができたため,おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
当大学の科目「医療安全」(2年生,全員)と「医療安全と感染看護学臨地実習」(4年生,選択実習)について,QSENコンピテンシーに基づき見直しを行い,新しい教育プログラムを作成した。2015年度の「医療安全」(2年生,全員)より,新しいプログラムで教育を開始した。この新しいプログラムの成果を今後明らかにしていけるよう研究を進めて行きたいと考えている。また,米国ではAACNが主体となりQSENの普及活動を行ってきている。よって,米国看護大学におけるQSENコンピテンシーに基づいたカリキュラム改革が広く浸透していることが予測される。そこで,QSENカリキュラムを展開することでどのような成果が出ているのか,特にそのカリキュラムを受けて卒業した学生が臨床でどのように適応しているのか,最新の情報を入手し,その成果をプログラム開発に反映していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.本年度購入予定としていた,パソコン1台が,予算額の半分で購入することができたため。2.定期会議(内容:日本看護科学学会交流会発表準備,その他)を電子メールで行ったことにより,会議場までの交通費等の発生がなかったため。3.専門的知識提供(統計的手法)を予定したが,日程調整が図れず受講できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
1.次年度は,QSENコンピテンシーに基づいた医療安全教育プログラムを開発し,試行し,評価する計画である。こうした活動に伴い生じる人件費・謝金・その他の予算として計画する。2.最新の米国のQSENに関わる情報を入手し,本研究に反映させる計画である。こうした活動に伴う交通費・謝金・その他の予算として計画する。3.次年度の研究デザインは質的研究であるが,その次の年の研究は,量的研究を予定しているため,専門的知識提供(統計手法)の予算として計画する。
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