研究課題/領域番号 |
25463359
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
川上 和美 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (90638769)
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研究分担者 |
操 華子 宮城大学, 看護学部, 教授 (40209739)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 感染管理認定看護師 / コンピテンシー / キャリア開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、(1)感染管理認定看護師の感染管理実践におけるコンピテンシーの傾向を明らかにすること、(2)感染管理認定看護師のキャリア開発上の各段階(新人、中堅、熟達者)で習得すべき知識・技術・能力を明らかにすること、(3)日本の医療体制に合った感染管理認定看護師のコンピテンシー・モデルを開発することを目的とし、自記式質問紙による横断研究(調査1)と、インタビューによる質的記述的研究(調査2)による混合研究法を実施している。 平成26年度は、調査1における質問紙(回収数975、回収率57%)のデータ分析を進めた。質問紙は研究対象者の概要と、感染管理実践者のコンピテンシー10領域の実践内容63項目の質問で構成されており、5段階のリッカート尺度で自己評点をつけてもらった。感染管理認定看護師経験年数と各コンピテンシー領域得点合計との間に、中程度の正の相関が認められた。さらに、研究対象者を「新人」、「一人立ち」、「中堅」、「熟達者」の4つのキャリア段階に分類し比較した。コンピテンシー領域得点合計では、新人はいずれも全体の平均を下回り、熟達者は「感染症プロセスの明確化」、「サーベイランスと疫学的調査」、「テクノロジー」、「感染性微生物の伝播予防/制御」、「マネージメントとコミュニケーション」、「リーダーシップおよびプログラム・マネージメント」、「業務改善と実践科学」、「従業員/労働衛生」の8領域で満点の6割以上の得点であった。「感染予防・制御領域」、「教育と研究」では、いずれのキャリア段階も6割以下の得点であった。多重比較により、新人と他の3群との間に統計学的有意差が認められた。 調査2では、平成26年度までに40名へインタビューを実施した。インタビューデータを質的に分析し、感染管理認定看護師の各キャリア段階で習得すべき知識・技術・能力を抽出、整理を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査2のインタビューによる質的記述的研究では、インタビュー予定数が80~100名であるため、次年度も継続してインタビューおよびデータ分析をすすめる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は引き続き、調査2のインタビューによるデータ収集とデータの質的分析を進める。データ分析は、各質問で同じ点数を付けた研究対象者のコードを比較しながら、コンピテンシー領域ごとに新人、一人立ち、中堅、熟達者別でコードをまとめ、カテゴリーに分類する。このカテゴリーから、各キャリア段階別のコンピテンシーの内容を記述する。これをもとに、感染管理認定看護師のコンピテンシー・モデルの案を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、関東の医療施設で勤務する研究対象者を中心に調査2のインタビューを実施し、予定よりも旅費がかからなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、北海道、北関東、近畿、中国、四国、九州、沖縄の医療施設で勤務する研究対象者にインタビューを実施する予定であるため、旅費として使用する計画である。
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