研究課題/領域番号 |
25463365
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
佐竹 澄子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40459243)
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研究分担者 |
桑本 暢子 (大久保暢子) 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (20327977)
羽入 千悦子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50317989)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 看護技術 / 副交感神経活動 / 遷延性意識障害 / 音刺激 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、患者の情動変化を、自律神経活動を含む生体反応から客観的に捉えることにより、自ら意志表示が困難な患者を含む長期臥床患者のQOL向上につながる新しい看護ケアの方法を開拓することである。平成27年度は、長期臥床患者でも意思疎通が可能な患者を対象に、本人の嗜好する音楽刺激と情動・自律神経活動の変化を検討するための研究を計画した。長期臥床に状態にある入院患者を対象に、ベッド上、仰臥位の状態で心電図R-R間隔と呼吸運動および音楽の連続的記録を行う。記録中、本人が普段、嗜好する音楽等を含む様々な音(種々のジャンルの音楽、人の声、無意味音など)を聴いてもらい、心拍変動の高頻度成分(HF)または低頻度成分(LF)が優位となる音刺激を探索する。記録終了後、各音刺激に対して発現した感情と、HF(副交感神経活動)またはLF(交感神経活動)成分の変化との関係について検討する。さらに、R-R間隔のPoincare plots(Lorenz plots)を行い、音刺激に対して特徴的なパターンが出現するか否かを検討することとした。 平成27年度2月の所属大学研究倫理審査委員会から承認を受け、3月に研究フィールドとなる所属大学附属病院臨床研究委員会の承認を受けている。現在、機器の最終確認とプレテストを実施しており、データ収集の準備を行っているところである。 今年度前半までには、データを収集し、分析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該研究は、昨年度までに研究計画が終了する予定であったが、終了していない状況である。その理由として、研究2の研究計画書作成にあたり、対象者の条件と介入方法についての決定に困難を要したことが挙げられる。研究2については、研究計画ができたため、データ収集をしていく予定であるが、研究2を踏まえて研究3を実施していく予定であるため、研究2のデータ収集を踏まえて、研究3にも着手していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当該研究計画の大きな変更は無いが、自律神経活動の測定機器、解析ソフトについては、当初予定していたソフトではなく、現在所属大学にあるソフトをバージョンアップすることで対応が可能であると考えられたたため、バージョンアップで対応することとした。 また、研究2の進捗状況を踏まえて、研究3の実施条件等を整えていく上で、必要な機器を購入していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究2「入院患者における音刺激の自律神経活動への影響」実施にあたり、自律神経活動の測定機器を購入予定であったが、現在所属大学にある自律神経解析ソフトのバージョンを上げることで、対応が可能となったため購入を見合わせたことが理由として挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
研究2のデータ収集、分析を踏まえて、研究3を計画していくにあたり、新たな機器の購入が必要となってくる可能性があること、また、研究2のデータ分析等について、データ集計に関わる人件費、謝金等も必要となるため、その費用としても考えている。
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