本研究は、遷延性意識障害患者等の長期臥床を強いられる患者に対し、リラックスできる時間もたらすために、副交感神経活動の賦活化を導くケアとしての「好みの音刺激」について検討することを目的に実施している。研究の第一段階として、指標となる自律神経活動の中でも副交感神経活動の各研究分野における活用実態を検討した。その上で「好みの音刺激」による副交感神経活動の変化と情動反応を明らかにするための介入研究を実施した。その結果、情動反応としては好みの音刺激が楽しさや心地よさをもたらすと言えたが、副交感神経活動の有意な変化は認められていない。今後さらに詳細なデータ解析を行う予定である。
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