本課題に先行する研究として、女性看護師の16時間夜間勤務(以下、夜勤)中の自律神経バランスや夜勤前・後の中枢性疲労を測定し、神経生理学的手法を用いた客観的な疲労の評価を実施した。そこで平成25年より、16時間夜勤および24時間管理当直中の仮眠・断眠に焦点をあて、自律神経活動の分析から蓄積疲労の有無を可視化し、慢性疲労症候群(CFS)予備軍のスクリーニング方法を構築することを目的とし調査を行った。 測定項目は、夜勤前のコンディション・データおよび夜勤前と後の疲労テスト(客観データ:タッチパネル、ピンチメータ、主観データ:Visual Analogue Scale、疲労自覚症調べ)、夜勤中および夜勤後の自宅での仮眠・睡眠中のECG、R-R interval、活動量であった。自律神経は、心拍変動解析(以下HRV)のデータをもとに評価した。 はじめに、病棟看護師の16時間夜勤中とその後の約20時間の活動および睡眠中のHRVデータや疲労の測定により、夜勤による疲労とその後の自律神経バランスの変化を評価した。平成25年度はデータ収集、26年度は分析と結果の開示にあてた。 次に、看護管理者の24時間管理当直中とその後の約20時間の活動および睡眠中のHRVデータや疲労の測定により、夜勤による疲労とその後の自律神経バランスの変化を評価した。研究フィールドの都合や計測デバイスの再検討(当直中の断眠を正確に評価するため、脳波計使用のプレテストを実施した)などで計画が遅れ、平成28年度に研究は終了した。
|