研究課題/領域番号 |
25463369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
荒添 美紀 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (60458396)
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研究分担者 |
天野 雅美 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (10468382)
齊藤 茂子 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (00583923)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中堅看護師 / 院内研修 / ヒューマンスキル / コンセプチュアルスキル / 能力 |
研究概要 |
本研究は、中堅看護師の「ヒューマンスキル及びコンセプチュアルスキル教育プログラム」を構築することを目的としている。平成25年度は、研究1および研究2について以下の通り実施した。 研究1「中堅看護師を対象とした院内研修の実態調査」では、1.中堅看護師を対象とした院内研修の実態調査のための予備調査を、臨床経験3年以上の看護師50名に対し実施した。質問紙の内容は、病院内の研修の有無、研修内容、研修時期、研修受講の有無である。2.予備調査で得られたデータや資料および文献をもとに、「中堅看護師を対象とした院内研修の実態調査」(本調査)のための質問紙を作成した。質問紙の内容は、中堅看護師に対する院内研修の有無、研修内容、研修対象、研修方法(時間・回数・形態)、受講の自薦・推薦、研修期間である。3.作成した質問紙を病院の看護部長らにプレテストを実施し、研修の実態がより具体的に把握できるよう修正・追加をおこない、本調査にむけて質問紙を作成している。 研究2「中堅看護師の臨床で求められているヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル尺度」では、1.中堅看護師の臨床で求められているヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル尺度を作成するために、「中堅看護師の職場で求められる能力」を明らかにすることを目的とし、臨床経験3年以上の看護師50名に、自記式質問紙による調査研究を実施した。2.得られたデータをコード化し、類似する内容ごとに分類しカテゴリー化(抽象化)した。抽出されたカテゴリーは、「管理する力」「問題解決する力」「教育する力」「関係調整する力」「リーダーシップを発揮する力」「信頼し思いやる力」「看護実践をする力」「課題に取り組む力」である。3.得られた結果やマネージャーに求められる能力を提唱しているカッツモデルおよび文献をもとに質問項目の作成に取りかかっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画は、当学倫理委員会で承認を受け、予備調査から開始した。 研究1の「中堅看護師を対象とした院内研修の実態調査」(本調査)は、プレテスト中であり、やや実施計画より遅れている。これは調査内容の院内研修が、病院の設置主体、病院の規模や看護師の人数などにより、質問項目の統一が困難であり、質問紙の作成に時間がかかっているためである。しかしながら、プレテストや看護部長などの助言を活かし、質問紙を作成することは、より院内研修の実態を把握するのに必要であると考えている。 研究2「中堅看護師の臨床で求められているヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル尺度」では、尺度の下位概念を、カッツモデル(カッツ、1982)の「ヒューマンスキル」(リーダーシップ、コミュニケーション、ファシリテーション、コーチング、プレゼンテーション、交渉力、調整力など)、「コンセプチュアルスキル」(論理思考力、問題解決力、応用力など)をもとに作成する予定であった。しかし下位概念の確認および質問項目検討の目的で予備調査から実施した。そのため、実施計画よりやや遅れている。しかしながら、予備調査を行ったことで、下位概念の確認や質問項目の作成もでき、より中堅看護師の臨床で求められているヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの測定がより正確になると考えている。また、予備調査で得られたデータをまとめ、第24回日本医学看護学教育学会学術学会で発表し、さらにデータの見直しをし、投稿のため論文を作成している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度以降の計画は以下のとおりである。 研究1「中堅看護師を対象とした院内研修の実態調査」に対して、プレテストで追加・修正した質問紙を用いて、実態調査(本調査)を実施する。 研究2「中堅看護師の臨床で求められているヒューマンスキル,コンセプチュアルスキル尺度の作成」では、予備調査で得られた結果やカッツモデルおよび文献をもとに、中堅看護師の臨床で求められているヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル尺度を完成させる。また作成された中堅看護師の臨床で求められているヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル尺度を使い、実際に勤務している中堅看護師のヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの実態調査をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、研究がやや遅れたため、データ収集のための予算(旅費およびその他)を使用しなかった。また、調査研究も予備調査のためデータ数も少なく、データ入力依頼のための人件費やデータ収集での謝金等も発生しなかったためである。また学会参加費や旅費も予定していた予算よりも安価で参加できたためである。 平成26年度は、病院での中堅看護師の院内研修の実態調査や中堅看護師のコンセプチュアルスキル、ヒューマンスキルなどが測定できる尺度を作成するためにアンケートを依頼する。そこで、アンケート作成のための印刷費、アンケート依頼のための通信費、封筒などの雑費、データ入力や資料整理のための人件費を使用する計画である。 また、ヒューマンスキルの質問紙の内容を検討・検証するため、文献検討や行動分析も実施する。そのため、書籍および行動コーディングシステムを購入する計画である。 それらの研究成果を学会発表するために旅費や学会参加費にも使用する計画である。
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