研究課題
本研究は、看護学生に求められる、対象の状況をアセスメントするための思考に必要な「クリティカルシンキング(臨床推論)能力」を効果的に学習するための教育プログラムを模索するものである。平成26年度に作成した、学生のフィジカルアセスメント、思考過程強化を目指すためのe-learning自己学習教材を評価するために、平成27年度に本自己学習教材を使用した学生を対象にインタビュー調査を行った。平成28年度は、昨年度の予定どおり研究成果発表を行った。1つは、平成28年度教育改革ICT戦略大会(2016年9月8日)に、「思考プロセスの強化を目指す自己学習用e-learning教材の開発」という内容で、研究前半で行った自己学習用e-learning教材の開発部分を発表した。学生へのインタビュー結果によると、本教材による理解の深まり、使いやすさに対する肯定的な評価が90%の学生から得られた。さらに日本看護技術学会第15回学術集会において「看護過程における思考過程強化を目指すe-learning自己学習教材開発ー使いやすさ、学びやすさの観点での学生評価」を発表した。学生からは「e-learning教材でこそ可能な学習内容」「教材内容の良さ」「使いやすさ」等、肯定的な意見があげられた反面、「操作の困難性」「パソコン環境、接続による不便性」等の課題も出された。現代学生は、パソコンよりスマートフォン(スマホ)を使うことが多いという特徴があげられる。したがって、今後の授業時間外でのe-learning自己学習教材開発については、教材内容とともに、学生がよりアクセスしやすい手段、方法等も検討する必要があることが示唆された。
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