2017年12月~2018年2月に、全国95箇所の一般病院看護部に調査協力を依頼し、了承が得られた16箇所に勤務する看護職者のスタッフ779名、管理職者(看護師長)113名を対象とした託送調査法による質問紙調査を行った(回収のみ郵送法)。質問紙は無記名・自記式とし、スタッフへの質問紙は「過去1年間に精神的に傷ついて疲弊している」と感じた頻度・強さ、「心や身体が傷ついた体験」についてとった対策、職場の相談部署や上司に相談する判断基準・希望する対策、実際に行われている対策、その他に7種類の精神的健康やストレス状況を測定する尺度・質問を主な内容とし、管理職者(看護師長)への質問紙は、「スタッフが過去1年間に精神的に傷ついて疲弊している」と感じた頻度・強さ、「対策を行う必要がある」と判断する基準、必要と思う対策、過去1年間に実際にとった対策や精神的健康、仕事の負荷を測定する尺度・質問を主な内容とした。 有効回収数は、スタッフ434(55.7%)、管理職者(看護師長)81(71.7%)であり、分析はIBM SPSS Statistics ver.22を使用した。分析の結果、スタッフと管理職者各々の看護職者(スタッフは本人)の傷つきに対する現状や、スタッフと管理職者では、傷つきを感じた頻度・強さの傾向は類似していたが、判断基準、実際の対策等その他では異なることが示唆された。 それらの結果について、2018年3月に調査協力が得られた病院の看護職者7名(看護師長1名、スタッフ6名)と意見交換を行い、実際の臨床の意見を加えてパンフレット作成のための内容を検討した。
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