研究課題/領域番号 |
25463376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
土肥 美子 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (10632747)
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研究分担者 |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (00259194)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 若手教員 / 学習支援力 / 能力 / 尺度 / ファカルティ・デベロップメント |
研究概要 |
本研究の目的は、若手教員(看護系大学に所属し、看護職免許を有する看護大学教員経験が3年未満で39歳以下の助教)を対象に、学習支援力を測定する尺度を開発し、若手教員の学習支援力とその関連要因を明らかにすることである。平成25年度においては、尺度原案を作成するために以下を実施した。 1.尺度項目の収集:①看護大学教員に必要とされる能力に関する先行研究(看護大学教員経験を3年以上有する看護大学教員を対象にしたインタビュー調査)から得られた結果をもとに、若手教員13名を対象に看護大学教員に必要とされる能力についてインタビューを実施した。データ分析の結果、若手教員が必要とする能力は、【学習支援力】【社会貢献力】からなることが示され、学生が成人学習者として学習を進めていくための働きかけや自らの専門領域で看護を実践することにより地域社会に貢献するという能力項目で構成されていた。② ①の研究結果と先行研究結果を比較した。先行研究結果では、【学習支援力】【研究実践力】【社会貢献力】【組織運営力】が抽出されており、【学習支援力】は看護大学教員の能力において主要概念であることが確認された。また、【学習支援力】以外に抽出された【研究実践力】【社会貢献力】【組織運営力】についても若手教員の能力としては重要概念であると考え、【学習支援力】【研究実践力】【社会貢献力】【組織運営力】の4つの概念を含めた看護大学教員能力自己評価尺度原案を作成した。 2.尺度項目の表面妥当性・内容妥当性の検討:①看護教育学の研究者4名(若手教員1名含む)を対象にグループインタビューを開催し、尺度項目の表面妥当性・内容妥当性の検討を行った。②看護教育学の研究者10名(若手教員2名含む)を対象に内容妥当性指数を用いて検討を行った。 3.若手教員を対象に行ったインタビュー調査結果を国内の学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年間の研究期間において、若手教員(看護系大学に所属し、看護職免許を有する看護大学教員経験が3年未満で39歳以下の助教)を対象に、学習支援力を測定する尺度を開発し、さらに若手教員の学習支援力とその関連要因を明らかにすることを目指している。 平成25年度は、以下のことを実施した。 看護大学教員に必要とされる能力に関する先行研究(看護大学教員経験を3年以上有する看護大学教員を対象にしたインタビュー調査)から得られた結果をもとに、若手教員13名を対象に看護大学教員に必要とされる能力についてインタビューを実施した。データ分析の結果、若手教員が必要とする能力は、【学習支援力】【社会貢献力】からなることが明らかにされた。さらに、この研究結果と看護大学教員に必要とされる能力に関する先行研究結果を比較した結果、【学習支援力】は看護大学教員の能力において主要概念であることが確認された。先行研究において【学習支援力】以外に確認された【研究実践力】【社会貢献力】【組織運営力】についても若手教員の能力としては重要概念であると考え、【学習支援力】【研究実践力】【社会貢献力】【組織運営力】の4つの概念を含めた看護大学教員能力自己評価尺度項目を作成した。次に、専門家パネルや内容妥当性指数を用いて尺度項目の表面妥当性・内容妥当性を検討し尺度項目の修正・精選を行い尺度原案を作成した。また、若手教員を対象に行ったインタビュー調査結果については国内の学会で発表した。 本研究は、当初の計画に従い、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的を達成するため、以下の方策をもとに調査を進める。 1.尺度の作成と信頼性・妥当性を検討する:看護大学教員400~600名程度を対象に【学習支援力】【研究実践力】【社会貢献力】【組織運営力】の4つの概念から構成された看護大学教員能力自己評価尺度原案、理論的な関連が予測される尺度を組み合わせた質問紙調査を実施する(郵送法)。得られたデータは、統計学的手法を用いて分析する。尺度の信頼性は、内的一貫性および安定性にて、基準関連妥当性は、理論的な関連が予測される尺度との併存的妥当性を検討する。構成概念妥当性については、因子妥当性および既知グループ法により検討する。また、本研究結果についてはホームページを作成し社会に向けて公表する。 2.若手教員が必要とする学習支援力とその関連要因を検討する:若手教員200名程度を対象に、【学習支援力】【研究実践力】【社会貢献力】【組織運営力】の4つの概念から構成された看護大学教員能力自己評価尺度と個人背景、効力感等を問う質問紙調査を実施する(郵送法)。得られたデータは、統計学的手法を用いて分析する。学習支援力と関連要因の関係の検討では群間比較、共分散構造分析等を用いて検討する。本研究結果は、国内外での発表および専門誌への投稿やホームページにて公表する。 3. 研究プロセスにおいて、国内外の看護教育学の研究者から随時、助言を得ることとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は尺度項目作成のため、統計解析ソフト、デスクトップパソコンは必要としなかった。ホームページ作成については、現在調整中である。 次年度は、全国の看護大学教員を対象に作成した尺度の信頼性・妥当性を検討するために、ディスクトップパソコン、統計解析ソフト、調査票の作成費、測定尺度使用料、データ入力・資料の整理補助費、記録媒体、通信費、印刷費、文具費、会議費、ホームページ作成費等の経費が必要である。また、これらの研究成果をまとめ、国内外の学会で発表するための旅費や専門誌への投稿料を要する。本研究に関する文献検討を継続するため、図書および雑誌購入等の費用が必要である。
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