研究課題/領域番号 |
25463376
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
土肥 美子 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (10632747)
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研究分担者 |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (00259194)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 若手教員 / 学習支援力 / 能力 / 尺度 / ファカルティ・デベロップメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、若手教員(看護系大学に所属し看護職免許を有する看護大学教員経験が3年未満で39歳以下の助教)を対象に、学習支援力を測定する尺度を開発し若手教員の学習支援力とその関連要因を明らかにすることである。平成27年度は【学習支援力】を中心に【研究実践力】【社会貢献力】【組織運営力】を含む4概念で構成された看護大学教員能力自己評価尺度を用いて若手教員の看護大学教員能力とその関連要因を明らかにした。
〈若手教員の看護大学教員能力とその関連要因の検討〉 全国の看護系大学で承諾が得られた55校の若手教員162名を対象に、看護大学教員能力自己評価尺度、メンタリング尺度、成人用メタ認知尺度、一般性セルフ・エフェカシー尺度を組み合わせた質問紙調査を実施した(郵送法)。有効回答が得られた86名を分析対象とした。分析はメンタリング、メタ認知、年齢、大学教員経験年数が、若手教員の看護大学教員能力に影響を与え、さらに自己効力感に影響するという仮説に基づき共分散構造分析を行った。本調査では分析対象者が86名であることから、複雑なモデル構成を避け看護大学教員能力自己評価尺度得点を用いて分析を行った。メンタリング、メタ認知、大学教員経験年数から看護大学教員能力へのパス係数、看護大学教員能力から自己効力感へのパス係数は有意であったが、年齢から看護大学教員能力へのパス係数は有意でなかった。そのため、年齢から看護大学教員能力へのパスを削除し再分析を行った結果、メンタリング、メタ認知、大学教員経験年数から看護大学教員能力へのパス係数は、それぞれ0.32、0.59、0.20、看護大学教員能力から自己効力感へのパス係数は0.46を示し全て有意であった。決定係数は看護大学教員能力0.59、自己効力感0.21であった。適合度指標はGFI = 0.900、AGFI = 0.823、CFI = 0.969、RMSEA = 0.078を示し許容範囲内の適合度であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、作成した看護大学教員能力自己評価尺度を用いて若手教員の学習支援力を含む看護大学教員能力とその関連要因の検討を行った。本研究は、当初の計画に従いおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的を達成するため、研究成果の報告および研究結果の評価や課題の検討を行う。 ①若手教員の学習支援力を含む看護大学教員能力とその関連要因の検討結果について報告書を作成する。 ②看護大学教員能力自己評価尺度の開発プロセス、若手教員の看護大学教員能力とその関連要因の検討結果について、国内外での発表および専門誌への投稿やホームページにて公表する。③引き続きデータの分析を行い研究結果の評価や今後の課題について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の分析については、研究分担者が既に所有しているパソコンおよび統計解析ソフトを使用したが、平成28年度においては研究代表者の方で、研究成果のまとめや報告書の作成、研究結果の評価や課題の検討のためのデータ分析を行うことからデスクトップパソコンを必要とする。研究成果公表のためのホームページは現在作成中である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、研究成果の報告および研究結果の評価や課題の検討を行う予定である。研究成果のまとめや報告書の作成、研究結果の評価や課題の検討のためのデータ分析を行うことからデスクトップパソコンを必要とする。研究成果のまとめとして成果報告書を作成し、研究協力大学へ送付する。研究成果のまとめのため、資料の整理補助費、通信費、文具費、会議費、印刷費、各協力大学に配付する論文の別刷り費用等の経費が必要である。また、研究成果を国内外の学会で発表するための学会参加費、旅費や専門誌への投稿料、英文校正料等、研究成果を社会に公表するためのホームページの作成費を要する。研究結果の評価や課題の検討のため、図書および文献複写等の費用が必要である。
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