本研究の目的は健康成人を対象に、メトロノームを用いた一定リズムでのガム咀嚼運動が痛覚刺激に対してどのような影響を及ぼすのかを検証した。本研究は準実験研究デザインで実施し、携帯型末梢神経刺激装置(PNS-7000)を用いて穿刺様痛を誘発した。指標には唾液中急性ストレス物質、痛覚刺激に対する精神性発汗量、痛覚強度をそれぞれ採用した。各指標は実験前、開始20分、開始40分、開始60分、開始80分の各時点で測定した。その結果、一定リズムによる持続的なガム咀嚼運動は若年成人の痛覚感受性を低下させる可能性が高いことが示唆された。
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