本年度はプレイングマネージャーの役割を持つ看護師のリーダーシップ尺度の信頼性・妥当性の検討を行なった。一般病院15施設の同じ部署に勤務する看護師長101名、臨床経験1~4年目以下の看護師722名に郵送による自記式質問紙調査を実施した。調査内容は①フェイスシート②自作のプレイングマネジャーのリーダーシップに関する項目54項目③サーバントリーダーシッブ尺度自己評価項目など。分析方法は、HAD統計ソフトを用い、基礎的統計量算出、プレイングマネージャーの役割をもつ看護師のリーダーシップ尺度の信頼性を確認するためにCranach's係数でデータの内的整合性を確認した。依存的妥当性を確認する為に,サーバントリーダーシップを用いて相関係数を確認した。回収率は15病院の看護師長61名(60.5%) 臨床経験1~4年目以下の看護師249名(40.7%)。有効回答数344名(96.9%)を分析対象とした。プレイングマネージャーの役割をもつ看護師のリーダーシップ尺度の因子分析の結果、【問題を検討するためのアサーティブな発信力】【後輩中心の成長支援行動】【職場学習の実践】(【変革への挑戦】【協調性とセルフコントロール力】【指導者としてのリフレクション行動】の6因子33項目であり、それぞれのCranach’sは、.73~.91の範囲であった。併存妥当性検証のために用いたサーバントリーダーシップ尺度は、【後輩を第一にした支援行動】【倫理的行動】【コンセプチャルスキル】の3因子16項目、3因子それぞれではCranach's.831~.917の範囲であり、プレイングマネージャーの役割を持つ看護師のリーダーシップ尺度の各因子と有意な相関を認め、構成概念妥当性は確保された。併存妥当性検証のために用いたサーバントリーダーシップ尺度各因子と本尺度各因子は有意な相関を認め本尺度の併存的妥当性が確保された。
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