研究課題/領域番号 |
25463395
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小林 美亜 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00327660)
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研究分担者 |
富田 真佐子 四国大学, 看護学部, 教授 (10433608)
池崎 澄江 千葉大学, 看護学研究科, 講師 (60445202)
鈴木 美穂 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70645712)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 終末期 / エンド・オブ・ライフ / シラバス / 看護教育 / カリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究は、看護基礎教育におけるエンド・オブ・ライフ(終末期:以下EOL)ケア教育の日本の実態を把握するとともに、看護学生のEOLケアに対する態度を評価することを目的としている。 平成26年度(2年目)は1年目に得られた65校のシラバスから、EOLケアに関連する教育が行われている科目、項目、授業時間数を把握した。死生学などを含めても約半数(44.6%)の学校しか何らかのEOLに関する科目を開講していなかった。EOL関連の授業時間数の平均(標準偏差)は15.5±8.9コマ/校, 範囲は3-38コマ/校と幅広かった。必修科目の中でのEOL関連の授業数は大学よりも専門学校に多かった(9.3 v.s. 11.3コマ)。さらにシラバス返送がありかつ同意の得られた42校からランダムに抽出した30校の1年生と3年生(大学では4年生、以下最終学年生)を対象に「終末期にある患者とその家族に対するケアについてのアンケート」調査を行った。3,638部を配布し、1年生391人 、最終学年生305人から有効回答が得られた(有効回収率19.1%)。年齢や入院経験、看取り経験を考慮しても、最終学年生は1年生よりも死にゆく人に対する態度が肯定的で、EOLケアに関する知識も高かった。しかしながら、シラバスに記載されているEOL関連授業時間数とこの態度や知識には関連がなかった。この結果は平成27年7月Sigma Theta Tau International Nursing Research Congressで発表予定である。また2年目は同時に米国、フィンランドにて、EOL教育のインタビュー調査を実施した。 平成27年度(3年目)は、これまでの研究結果と先行研究をもとに、専門家パネルによるデルファイ法を実施し、日本において実行可能かつ効果的なEOL教育カリキュラム案をまとめ、報告する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度(2年目)中に、1年目の遅れを取り戻した。具体的には、1年目に全国の看護師養成校にシラバス調査を実施したが、2年目では一年目に実施できなかった学生調査を行うことができた。学生調査とは、そのシラバス調査に対して返送がありかつ同意が得られた42校からランダム抽出した30校の学生を対象としたEOLケアに対する態度調査である。この実施により、研究計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(3年目)は予定通り、これまでの研究の成果を踏まえ、専門家パネルによるデルファイ法を実施し、日本のEOL ケア教育の中で取り入れることが望まれる教育事項について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画どおりの研究を遂行するに際し、3年目に実施するための研究費用として、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、専門家パネルによりフォーカスグループを実施するための会場費用および謝金、またデルファイ法実施に関わる諸費用に加え、これらのデータの収集・分析(テープお越しやデータ入力)に関わる費用が必要となり、当該研究のための経費として残した。
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