研究課題/領域番号 |
25463396
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
黒田 久美子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20241979)
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研究分担者 |
清水 安子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252705)
錢 淑君 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50438321)
麻生 佳愛 福井大学, 医学部, 講師 (80362036) [辞退]
正木 治恵 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90190339)
内海 香子 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (90261362)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知症 / インスリン療法 / 援助指針 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
既存文献の検討から、本研究では、「認知機能低下が生じた高齢インスリン療法患者・家族」が、セルフケアから他者のサポートを受けて安定した療養生活へ移行する際の援助指針の開発に焦点化し、患者・家族の経験、看護実践について明らかにする実践事例の調査を行った。 結果、支援経験の豊富な看護師11名から35事例の実践事例を収集した。全員が認知症の高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb(服薬管理が出来ない者)のレベルであり、老夫婦のみの世帯が最も多く、1日2回~4回のインスリン自己注射を実施していた。想定していた以上に、全て患者本人で実施、準備は支援され注射のみ患者本人が実施されており、見守りを多様な人材が担う工夫がされていた。また主治医と相談してインスリン注射回数を少なくする処方変更、血糖コントロールの目標値の変更がされていた。 また看護師は、多くの情報をすり合わせてそれまでのインスリン自己注射方法からの移行を模索していた。そこで、看護師のアセスメントを含む言動を質的統合法(KJ法)で分析した結果、115枚の元ラベルから、以下の6つのシンボルマークを得た。①支援の前提の了解:インスリン療法、認知症看護をふまえ、必要な管理は周囲が補完すればよいという自己管理像の切り替えとそれを踏まえた調整、②支援の創意工夫:安全確実で自己注射を継続できるための柔軟な創意工夫、③支援の糸口:認知機能低下の根拠データ、生活状況の把握、④支援の糸口:家族との情報共有からの支援の展開、⑤迷いながらの支援:本人の望む生活への支援と支援が生活に及ぼす意味の評価、⑥迷いながらの支援:現実的な家族の負担・苦労をふまえた支援方法の検討。 以上より、援助指針のケアの基本的な考え方、援助の具体例、個別性の尊重や現実的な家族の負担軽減に向けたアセスメントの視点が抽出できた。
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