本研究は、2010~2012年度科学研究費 基盤研究(C)の助成を受けた「外来化学療法を受けるがん患者の心身緊張緩和を促進する看護モデル」を先行研究とし、この結果に基づき看護実践指針を開発することを目的とした。そのため、以下の2段階(研究1、研究2)の研究を行うこととし、「研究1 一次研究で作成した外来化学療法を受けるがん患者の心身緊張緩和を促進する看護モデルを基に、文献検討を加え、看護実践指針を作成する」、「研究2看護実践指針を用いて介入研究を行い、看護実践指針の効果を検証し、実践指針の精錬をはかる」を具体的な目標として挙げた。 研究1では、先行研究の結果である外来化学療法を受けるがん患者の対処過程におけるカテゴリーおよび概念とそれらの関係性にMeijelら(2004)およびLewis(2006)の看護介入デザインを検討に加え、暫定版看護実践指針を作成した。 研究2では、研究1で作成した看護実践指針を精練するために介入研究を開始した。 対象者は、術後補助療法を目的とした化学療法を導入する成人7名(男性3名、女性4名)である。それぞれ心身緊張についてアセスメントを行うとともに、身体感覚の気づきを促す介入、心身緊張を緩和するための方略を獲得する介入を実施している。 尚、本研究は今回補助事業廃止となったが、すでに得られたデータもあることから今後成果をまとめていく予定である。
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