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2014 年度 実施状況報告書

遺伝性神経難病患者・家族に対する遺伝看護教育プログラムの評価と有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 25463412
研究機関熊本大学

研究代表者

柊中 智恵子  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (60274726)

研究分担者 中込 さと子  山梨大学, 総合研究部, 教授 (10254484)
国府 浩子  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (70279355)
川崎 裕美  広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 教授 (90280180)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード遺伝看護
研究実績の概要

全国の看護職を対象に平成26年10月4日(土)FAP遺伝看護教育プログラムを実施した。脱落者5名で21名の事前・事後(直後、1週間後、1ヵ月後、3ヶ月後)質問紙結果およびFGIを解析対象とした。データが正規分布する場合はt検定および反復測定分散分析(平均値間の差はBonferroni法で検定)する。正規分布が得られていない場合は、Wilcoxonの符号付順位検定により、事前と直後、事前と1週間後、事前と1ヵ月後、事前と3ヵ月後の各2時点の比較を行った。有意水準は5%未満とした。
言語情報の解答率は、事前・直後では有意に高かった(p<0.001)。難病看護・遺伝看護に対する態度は分散分析の結果、質問の主効果があった〔F(1,18)=24.68 p<0.001〕ためBonferroni法で多重比較したところ、3つの質問間で有意に差が見られた。遺伝学を学んでいきたいと思うことは、遺伝性疾患患者・家族の看護および難病患者・家族の看護を学んでいきたいと思うことよりも有意に低かった(p<0.001)。ケアマニュアルの学習意欲の評価は、時間経過による有意差はなかったが、注意・関連性・自信・満足感の間での主効果があった〔F(3,60)=23.65 p<0.001〕ためBonferroni法で多重比較したところ、4つの質問間で有意に差が見られた。4つの項目は、どれも平均点3以上で高かったが、その中で満足感は関連性よりも有意に低く(p<0.5)、自信は注意、関連性、満足感よりも有意に低くくどちらでもないという平均値であった(p<0.01)。教育プログラムの内容に関する評価も同じような傾向がみられた。
以上のことから、今回参加した看護職の遺伝に関する意欲は元々高い人であったにも関らず、自信は注意、関連性、満足度よりも低い結果となり、経験の少なさや遺伝は難しいと思う意識が影響していると考えらた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度計画通り看護職を対象としたFAP教育プログラムを実施し、評価まで終了することができた。

今後の研究の推進方策

平成27年度は、昨年度FAPの遺伝看護のケアマニュアル教材作成を行い、看護職向け教育プログラムを実施したので、対象疾患を神経筋疾患である脊髄小脳変性症、副腎白質ジストロフィー、シャルコー・マリー・トゥース病、筋ジストロフィー、ハンチントン病などを追加していく予定である。そのために、まずは脊髄小脳変性症、副腎白質ジストロフィーの患者・家族の実態調査を質的および量的に行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、前倒し請求を行い50万円の前倒し金額を入手した。その理由は、平成26年度に実施した全国の看護職を対象としたFAP遺伝看護教育プログラムは、当初参加者40名を予定して計画しており、参加者に対して作成した教材「FAPケアマニュアル」を印刷製本して配布する予定であったからである。
しかし、参加者が21名と少なかったこと、FAPケアマニュアルは差し替えがいつでも可能なように製本せず研究者にて印刷することにしたため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

FAPケアマニュアルが好評であったため、印刷部数を増やし、全国の必要な医療機関に配布し、使用前後の評価を得ることを考えている。さらに、最終年度に向けて、平成27年度は他の遺伝性神経難病の体験についてインタビューを実施する予定であり、そのための費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 神経難病のある患者への遺伝看護2015

    • 著者名/発表者名
      柊中智恵子
    • 雑誌名

      日本遺伝看護学会誌

      巻: 13 ページ: 55-59

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公開日: 2016-05-27  

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