研究課題/領域番号 |
25463417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
砂川 洋子 琉球大学, 医学部, 教授 (00196908)
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研究分担者 |
照屋 典子 琉球大学, 医学部, 助教 (10253957)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 子宮頸がん / 予防啓発 / 若年世代 / ピアサポーター / 教育支援 / 子宮頸がん検診 / 予防ワクチン |
研究概要 |
子宮頸がんの発症は、20歳代から急激に増加しており、若年世代の子宮頸がん予防対策が急務な課題となっている。そこで、本研究では、沖縄県内の女子大生及び専門学校生を対象として子宮頸がん予防啓発活動を行う上での示唆を得ることを目的として意識調査を実施した。女子大生では、385人(91.4%)から有効回答が得られた。平均年齢は、20.8±2.7歳であった。子宮頸がん検診受診状況では、「受けたことがない」が87.5%と約9割を占め、その理由として「検診を受ける機会がない」、「時間がない」などが挙がった。一方、「受けたことがある」と回答した者は、12.2%(47人)と1割程度であり、その理由として「市町村から案内通知がきた」、「がんに罹りたくないから」などであった。予防ワクチンの接種状況では、「接種したことがない」と回答した者は、94.3%であり、その理由として「費用が高い」。「周囲の人が接種していない」、副作用が怖いから」などが挙がった。一方、「接種したことがある」と回答した者は、5.5%(21人)であった。子宮頸がんに関する認識度調査では、「女性の約8割が一生のうち1回はHPVに感染する」や「日本の子宮頸がん検診率は、他の先進国に比べて低い」、「喫煙によって子宮頸がん発症の危険が高まる」などの項目は得点が低かった。また、普及啓発についての自由記載では、「子宮頸がんについてわからないことが多く、もっと詳しくしりたい」、「予防ワクチンの効果や副作用について知りたい」、「子宮頸がんについて情報を得る機会がない」などの意見が寄せられた。専門学校生(n=205)の解析でもほぼ同様の結果であった。今後は、女子大生や専門学校生などを対象として、同年代のピアサポーターと協働して研修会やワークショップ実施などの介入により、子宮頸がん予防啓発に向けた取り組みを促進させることの重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
若年世代を対象とした実態調査は、企業で働く若年女子も実施する予定であったが、先方との調整がなかなか進まず、その計画は次年度に持ち越しとなったため。また、ピアサポーター育成のための研修会やワークショップの情報にうまくコミットできていなく、次年度に持ち越しとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
1)就労若年女性(20歳代、30歳代)を対象とした子宮頸がん予防啓発の実態調査。前年度に積み残した調査を9月頃までには実施し分析、問題点の把握を行う。 2)ピアサポーター養成のためのプログラム作成と実施。プログラム作成にあたっては、国立がん研究センターがん対策情報センターが協働している「女子大生発!愛で結ぶプロジェクトyui」の活動を実際に見学研修する。ピアサポーターは、女子大学生(看護学生)より公募する。先の実態調査結果と見学したプログラム内容をもとに、ピアサポーターの養成研修会プログラム内容を検討し決定する。内容案:①子宮頸がんとは、子宮頸がん予防のための基礎知識(産婦人科医師)②若い世代の女性へ、仲間としての予防啓発のテクニックを高める(研究代表者砂川)③ピアサポーターの役割と自己の成長(分担者照屋)④がんサバイバー(特に若年世代の方)による講話など。プログラム研修は、半日の2回(約10時間設定する) 3)ピアサポーターによる女子学生や専門学校生への予防啓発活動の実施と評価
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度に実施予定で就労若年女性の意識調査が、今年度に積み残しになったことと、ピアサポーター養成のための研修会が開設されず、参加できなかったために情報収集のための旅費の2回分が繰り越しとなったため。。 ピアサポーター養成プログラム構築のために、中央で開催されている研修会やワークショップなどに2~3回出かけるため旅費を多く計上する必要がある。また、ピアサポーター(学生)のメンバーは、雇いあげして活用するので、人件費が必要。ピアサポーターとの協働によるワークショップや研修会には、産婦人科医師やがんサバイバーなどの講師も招聘することより、講師謝金の計上が必要である。得られた成果の学会などでの発表も行う予定。
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