1)若年世代における子宮頸がん予防啓発に向けた教育支援の一環として、ピアサポーター(大学生)を養成するプログラムを構築し、セミナーを実施した。応募により3名が参加し、セミナー参加後のアンケートでは、「ピアサポートの意義や役割が理解できた」、「DVDを活用しての子宮頸がんの知識が深まった」、「体験者の講話は内容に関心が持て啓発活動につながった」などが反応として聞かれ、全員がピアサポート活動への意欲や自身の成長、自己効力感につながったと回答していた。 2)ピアサポーターを活用した子宮頸がん啓発ワークショップを実施した。12名の参加があり、20歳~30歳の若年世代は、7人と半数程度であった。参加者の8割が子宮頸がん検診を受けたことがあると回答し、若年世代への教育支援に対しては、「中学校や高等学校で講演会を開催することが有効ではないか。PTAの保護者も巻き込んでのがん教育としてやってほしい」、「若者が集まるイベントなどに参加してもっと広報活動をしたほうが良い」などの意見を聞くことができた。 3)女子大生を対象とした子宮頸がん啓発セミナーを実施した。60名の参加があり、子宮頸がん検診受診の経験は1割程度であり、予防ワクチン接種の経験は、6割であった。体験者の講話を聴いて、今後は検診を受けたいと9割以上の学生が回答していた。自由記載では、「今回のようなセミナーをももっと学校現場や企業などでやると検診率向上につながるのではないか」、「大学の健康管理センターなどで、検診が受けられるようなシステムを整備してほしい」、「今回のような体験者のお話は心に響いたので、授業のなかに取り入れてほしい」などの意見が挙がった。ピアサポーターを活用してのセミナーは有効であった。4)島根県立大学看護学部がモデルとして実施している、学内における子宮がん検診実施の視察を行うことができた。今後の活動につなげる貴重な機会となった。
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