研究課題
基盤研究(C)
初年度である平成25年度は、10年以上のがんサバイバーを対象とした調査を進めていくための下準備を行った。現在の国内がん患者支援団体リストの作成、予備調査の質問紙作成、研究倫理委員会で研究計画書の承認を得る手続きを踏んだ。1.2013年末時点での国内のがん患者支援団体リストを文献およびインターネット情報をもとに作成した。この調査の結果、2006年には306件であったがん患者がピアサポートを受ける機会が、2013年12月時点では1194件と約4倍の数が確認された。特に都市部は約3倍、地方部は大地震があった東北のみ3倍、その他の地方は4~8倍に増加した。そのうち、患者会は51%、がん診療連携拠点病院、行政により開設運営されたがん患者サロンは35%、がん患者支援団体による機会が15%であった。がん診療連携拠点病院、行政によるがんの部位を限定しない「がん患者サロン」が全国的に増加したことが全体急増を導いたことが明らかとなった。2.がん患者会やサポートグループ、ピアサポート、患者サロンをキーワードに内外の文献を収集し、研究組織メンバーによる3回の検討会を経て、現状と10年以上のサイバーバーのコミットメントの状況を尋ねる質問紙を作成した。3.2.の質問紙を用いた1.のがん患者支援団で活動場所および事務局、代表者いずれかの住所を特定できた団体への質問紙調査の研究計画書を、研究代表者施設の研究安全倫理委員会に提出し、審査を受け、承認を得た。
2: おおむね順調に進展している
平成25年度の計画は予定どおりに行ったが、がん患者支援団体(ピアサポートの機会)が予想を上回る増加を示していたことが明らかとなり、住所をデータベース化し依頼先を特定する作業が必要となった。その住所録作成と依頼先の選定に時間がかかっているため、平成26年度に予定している協力依頼作業の開始が遅れる見通しである。
1.がん患者支援団体リストに沿って、がん患者支援団体の状況調査と10年以上のがんサバイバーへの質問紙調査とインタビュー調査意向調査の仲介依頼を発送する。2.質問紙調査の返信の入力作業を行う(リサーチアシスタント)3.質問紙調査の末尾にインタビューへの意向調査を同時に行う4.インタビュー協力の意向調査で参加意思表明したがんサバイバーに、がん患者ピアサポートやサポートグループ、支援を受けた経験が現在どのように意味づけられているのかについての調査を具体化し、倫理委員会の承認を得て開始する。
文献取り寄せの送料、手数料計算が見込みと異なり若干の残金が生じたが、不要な小額文具を発注する等でゼロ清算する作業は行わなかった。平成26年度のその他の予算と合算して、必要な消耗品等に当てる予定である。
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