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2013 年度 実施状況報告書

急性大動脈解離患者のキュアとケアの融合を基盤とする看護実践の構造

研究課題

研究課題/領域番号 25463424
研究種目

基盤研究(C)

研究機関石川県立看護大学

研究代表者

村井 嘉子  石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (90300376)

研究分担者 北山 幸枝  石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (20419740)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード急性期看護 / 大動脈解離患者 / キュアとケア / 安静降圧療法 / ICU看護 / 看護実践の構造化 / 質的研究
研究概要

平成25年度の目的は、手術適応ではなく<安静療法(降圧と臥床)>を行う急性大動脈解離(StanfordB型)患者(以下、患者)の体験・様相(療養実態)を明らかにする事であった。研究者の所属する施設と研究フィールドの倫理審査委員会の承認を経てスタートした。研究方法は、安静降圧療法を行う患者と看護師の関わりの場面を参加観察し、その看護師に対して面接調査を行った。これによって①看護師が捉える患者の療養生活の実態と②看護師の患者への関わりの意図や意味を明らかにしようとした。研究組織において対象患者に対する参加観察や面接のあり方、面接内容についてトレーニングを行なう等の準備を行なった。研究フィールドとなる看護管理責任者との密接な連携を図りながら患者への負担を最小限にするように配慮した。参加観察および面接は、研究フィールドに勤務する研究協力者によって実施した。研究者会議において参加観察および面接のデータを記述化した段階で1事例ずつ、精読しながら参加観察のあり方、面接内容の修正・精選を行ない、より研究目的に沿ったデータ収集ができるようにした。現時点で10事例のデータ収集を行い、分析はグラウンデッドセオリー手法を採用した。特殊なICU環境における患者と看護師の相互作用、患者の実像、看護師の行為の意味が明らかにする上で効果的な研究手法と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度、得られたデータの分析過程より以下の状況が散見される。安静降圧療法を実施する患者の特性より、疾患が初発あるいは再発かによって患者の疾患に対する受け止めが微妙に異なることより、その療養生活の実態が異なる状況にある。患者自身が療養生活の過酷さを反映して、自身の気持ちを抑え語ることが少ない状況にあるが如実になっていた。また、その状況における看護師の患者への捉え方、関わりや意図も異なっていた。特に、患者の状況に合わせて看護師が患者と関わる「距離感覚」は異なり、固有の看護師流に調整・コントロールしている状況とも考えられる。どのような「距離感覚」であるのかは、今後の研究過程の中で更に精査し追及したいと考えている。当初計画では、1年間で20事例を収集する予定であったが、現時点において研究対象数が予定に達していない。この理由として、研究者らが関与できない施設側の運営課題が生じている。他施設との研究フィールド調整を行なったが、該当患者受け入れのバラツキが生じており使用フィールドの検討を行なっている。現在のフィールドにおいては、今年度の課題解決の兆しがあることより、次年度も引き続きデータ収集を継続することで当初の目的を達することができると考えている。前年度、得られたデータを精緻に研究組織内でディスカッションを深めながら、安静降圧療法患者のキュアの中における看護師のケアの実態を精査する予定である。

今後の研究の推進方策

前年度に引き続き、データ収集を継続する。同時に、研究組織間において得られたデータを更に精査しながら、患者の実態に合致した看護介入の意味づけとその実態について明確にしていく予定である。今年は、該当患者のケアを担う看護師らとのディスカッションを活発化させて、研究結果の妥当性の検証、また効果的な看護介入の方法についても検討をする。前年度得られたデータを多角的側面より精査・分析するために、急性期看護実践に関わった経験がある石川県立看護大学(研究代表者所属)の川端京子、大西陽子を研究協力者として加えて、更にディスカッションを活性化する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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