研究課題/領域番号 |
25463430
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
名越 恵美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (20341141)
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研究分担者 |
難波 峰子 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (20461238)
松本 啓子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (70249556)
川村 友紀 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (20615926)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢がん患者 / 外来化学療法 / 在宅療養 / 生活調整 |
研究実績の概要 |
高齢がん患者は、加齢に伴う運動機能・認知機能の低下に加え化学療法に代表される治療とその副作用によって体調管理や生活スタイルの変更に多くの労力を使っている。そこで、本研究は、外来がん化学療法を受けるサバイバーと家族を一組として体験を明らかにし、具体的支援を検討することを目的とした。外来化学療法を受けているがんサバイバーと家族を対象に、半構造化面接を行い、質的因子探索分析を行った。分析の結果、〈足腰が弱らないように体力保持〉〈現状維持のための体調管理〉〈副作用の出現と悪化予防〉〈禁止事項・決心を遵守〉〈転ばないように活動範囲を縮小〉〈介護負担にならないよう調整〉〈がんに対する畏怖と発症への無念〉〈治療継続手段への不安〉〈欲しい治療情報を聞けない葛藤〉〈家族への信頼と感謝〉〈夫婦で共に過ごす時間が大切〉〈元の生活へ戻る努力〉〈生きがい・役割を持続〉の15カテゴリーが抽出された。家族は、「がん患者の家族」として患者の幸福のためサポートに責任を感じ、また、残された時間への不安と価値づけによる葛藤があると考えられる。がんサバイバーと家族は、療養体験が継続することで、相互関係が進み、家族のコーピングパターンが続くと考える。そして、コーピング戦略を理解するための、サバイバーと家族間での人生の話に積極的に耳を傾けることの重要性が明らかになった。 さらに、生活への侵襲と調整の内容についてIIRS日本語版を作成し、アンケート調査した。その結果、副作用があるものの患者は、健康な気持ちを継続していた。高得点項目は、配偶者との関係性、健康、受動的レクリエーション、低得点項目は、性生活、コミュニティ、経済であった。先行研究との比較において、配偶者や周囲との関係性に関する変化は少ない。親密さは性生活に表されるが低く、構成・道具は同等であり、日本人の特徴として病気や治療による生活への影響が明らかになった。
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